警察庁の年次報告書によると、昨年1年間で犯罪収益などのマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがある取引として金融機関が全国の警察に届け出た取引件数は過去最高の15万8千件に達したことが分かった。届出を業態別にみると、全体の84.6%を占めた銀行が最多で、日本郵政公社の7.5%、信金・信組の6.5%だった。証券会社や貸金業からの届出は1%にも満たなかった。前年比38.8%と増加した背景には、「法令順守の意識の高まりとともに金融機関の監視体制の強化がある」と同庁ではみている。また、この3月1日からは、これまでの金融機関以外に、不動産業者や宝石・貴金属商などに対して疑わしい取引の届出が義務付けられ、マネーロンダリングに対する網目が拡げられる。 |