社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年02月26日号

景気判断、1年3ヵ月ぶりに下方修正

内閣府は、2月の月例経済報告で、景気の基調判断を1年3ヵ月ぶりに下方修正した。景気判断の全体では「回復」しているとしながらも、その足取りは「緩やかになっている」との認識を示した。個人消費の横ばいが続き、景気のけん引役だった輸出や生産は鈍化傾向が見られ、住宅建設も持ち直しているものの依然低い水準にあるとしている。先行きについては、サブプライムローン問題を背景にしたアメリカ経済の減速や原油価格の動向などからも景気の下振れリスクが強まっているとの判断を示した。



不良債権減少も、「危険債権」は増加に

金融庁は、2007年9月末時点の全国の銀行が抱える不良債権残高は07年3月末より0.9%減少の11兆8710億円になったと発表した。ただ、経営破たんの懸念があるとされる「危険債権」は3.8%増加の6兆2830億円に達し、不良債権の52.9%を占める。危険債権の増加の背景には、貸金業者など経営が悪化する企業が増加する傾向にあり、銀行は早目に正常債権から格下げしたものとみられる。



資金洗浄疑いの取引は過去最多に

警察庁の年次報告書によると、昨年1年間で犯罪収益などのマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがある取引として金融機関が全国の警察に届け出た取引件数は過去最高の15万8千件に達したことが分かった。届出を業態別にみると、全体の84.6%を占めた銀行が最多で、日本郵政公社の7.5%、信金・信組の6.5%だった。証券会社や貸金業からの届出は1%にも満たなかった。前年比38.8%と増加した背景には、「法令順守の意識の高まりとともに金融機関の監視体制の強化がある」と同庁ではみている。また、この3月1日からは、これまでの金融機関以外に、不動産業者や宝石・貴金属商などに対して疑わしい取引の届出が義務付けられ、マネーロンダリングに対する網目が拡げられる。



マンション発売戸数、2年連続減少

不動産経済研究所は、2007年の全国のマンション発売戸数は2年連続で減少し、13万3670戸となったと発表した。前年比14.2%もの大幅な減少だが、用地仕入れ価格が上昇したのに加え建築費の高騰で、買い控えが進むものとみたマンション販売業者が発売を手控えたものとみられる。マンション販売会社でみると、29年連続発売戸数首位を誇ってきた大京が5位に転落し、積極的な販売を全国に展開してきた穴吹工務店が首位に躍り出るなど、業界では各社の経営戦略の違いをみせている。



過疎地での病院医師の往診を後押し

厚生労働省は4月から「在宅療養支援病院」を指定し、往診患者1人につき月額4万2千円の診療報酬を支払う新制度をスタートさせる。患者自宅への往診によって医師不足で悩む過疎地での問題を解決する狙いがある。対象となる病院は、半径4km以内に診療所がない地域の病院で、当直医とは別に24時間連絡がつく往診担当医を配置して入院体制も取れることが条件となり、病院は各都道府県の社会保険事務局に申請して指定を受けることになる。



有料音楽配信売上げ、41%もの増加

日本レコード協会がまとめた2007年の有料音楽配信実績によると、全体の売上高は前年比41%増加の755億円に上ることが分かった。このうち、携帯電話向け配信は680億円で全体の90%を占めている。全体での伸び率は鈍化傾向にあるとの指摘をもあるが、同協会では「高機能の携帯電話端末への買い替えなどでさらに伸びていく余地はある」と、依然強気な見方を示している。



ネット広告、雑誌広告を上回る

電通は2007年の国内広告費が7兆191億円となり、広告媒体別で、ネット広告が前年比24.4%もの大幅増となり6千億円を越えたと発表した。他の広告媒体でみると、テレビ広告が1兆9981億円(前年比0.9%減)、新聞広告が9462億円(5.2%減)、雑誌広告が4585億円(4.0%減)となっており、ネット広告が雑誌広告を抜いた。ネット広告は、携帯電話各社や自動車メーカーからの広告が増えた。とくに、ネット広告の中では、検索キーワードで広告が表示される検索連動型広告が1282億円(37.8%増加)になったのをはじめ、携帯電話向けのモバイル広告が621億円(59.2%増)で、躍進が目立つ。



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