社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年02月19日号

パート等の正社員化で中小企業に奨励金

厚生労働省は、従業員が300人以下の中小企業がパートや派遣社員などの非正規社員を正社員化した場合に奨励金を支払う制度を4月からスタートさせる。制度は、「中小企業雇用安定化奨励金(仮称)」で、パート社員等を正社員化する仕組みを就業規則に盛り込んだ上で、実際に正社員とした場合に1人につき35万円が支払われ、さらに正社員化した人が3人以上出れば10人を限度に1人付き10万円が支払われる。非正規社員は2007年に1731万人(総務省調べ)で、働く人の3人に1人という割合になるほど増加傾向にあり、正社員化を推進することで、年金など将来の社会保障制度の安定化を図る狙いがある。



投資信託残高、過去最大の減少に

投資信託協会は、1月の1ヶ月間で投資信託の純資産残高は6兆円も減り、1ヶ月の減少額としては過去最大となったと発表した。サブプライムローン問題による世界的な株価下落に加えて、円高による外貨建て資産の減少などで運用実績が大幅に悪化したことによる。サブプライムローン問題で投信の運用環境は悪化してきており、外資系運用会社では、「全ての市場で下げ局面を迎えるのは97年のアジア通貨危機以来」と指摘するように、投信に資金が再び流入してくるのは長期化するものとみられる。



4月から鋼板全般で1-2割値上げへ

新日本製鉄は、4月から自動車や船舶、家電、機械向けなどの鋼板全般で1-2割程度値上げする方針を固めたのに加え、住友金属工業などの他の鉄鋼大手も値上げに追随の構えをみせている。鉄鉱石などの原料価格が前年比6割強値上がりしているのに加えて、輸送費も上昇していることが背景にある。鋼板価格の値上げが実現すれば、02年度の2倍もの価格に近づくことになる。製品価格への転嫁が懸念されるが、自動車や家電などの業界は価格競争が激しく、転嫁ができないのが実情で、さらには製品価格への転嫁は消費者の買い控えを招く懸念もある。



世界の株式時価、一時、650兆円消失

米金融情報会社のトムソンファイナンシャルは、サブプライムローン問題を背景にした世界的な株安で、本年1月の一時、世界の株式時価総額が6兆ドル(約650兆円)減少を記録したと発表した。実に日本の名目国内総生産(509兆円)をはるかに上回る富が一瞬にして吹き飛んだことになる。同社は、「どこにリスクがあるか分からない『21世紀型危機』に投資家の不安心理が株式の投売りが世界に連鎖した」とみている。また、中国やインドの時価総額も2割近く減少していることも踏まえ、野村證券では「米景気が減速しても新興国の成長がカバーするという『非連動』論は後退した」との見方を示している。



定年後の継続雇用で、6割が正社員希望

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、定年後の継続雇用制度について、定年を直前に控える57-59歳の正社員の56.5%が「60歳以降も正社員」での勤務を希望しているものの、「実現可能性が高い働き方」としての正社員を挙げたのは11.0%にとどまり、社員と企業のギャップが大きいことを浮き彫りにした。また、継続雇用時に最低限希望する賃金水準は、「現在の6-7割程度」が33.9%で最も多かった。



タバコ価格安い国は、喫煙率高い

世界保健機構(WHO)がまとめた世界各国のたばこ規制に関する包括的な報告書によると、喫煙による健康被害を防ぐ方法の一つとして、たばこ価格を引き上げることも有効であるとの見解を示した。主要先進国の人気銘柄のたばこ価格と喫煙率の関係をみると、日本のたばこ価格は2.58ドルで喫煙率は43.3%なのに対して、英国は9.69ドルで27.0%となっているなど、たばこ価格が安い国での高い喫煙率が指摘された。



40年ぶりに授業時間を増加へ

文部科学省が公表した小中学校の改訂の学習指導要領案によると、中学理科授業が33%増、同数学22%増となるのをはじめ、基礎基本学習の徹底を狙いとした授業時間が40年ぶりに増加することになった。小学5年から英語が必修となるほか、ゆとり教育の象徴とされてきた総合学習は週1時間削減されることになる。小学校は2011年度、中学校は2012年度から全面実施となる。



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