社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年01月29日号

百貨店・スーパー、11年連続売上げ減

2007年の全国百貨店売上高は前年比0.5%減の7兆7千億円(日本百貨店協会発表)だったのに加えて、全国スーパー売上高は前年比1.4%減の13兆9千億円(日本チェーンストア協会発表)となり、百貨店とスーパーはともに11年連続で前年を下回った。百貨店とスーパーは昨年の猛暑による秋冬物の衣料品の販売不振響いたのに加え、百貨店はサブプライムローン問題による株安で高額品の販売が鈍ったとみられる。日本百貨店協会は「好調だった初売り以降、販売は減速してきており、株安での心理不安などにより販売不振は夏ごろまで続く」とみている。なお、百貨店とスーパーの売上高構成比では、ともに食料品が首位を占めている。



暫定税率廃止で、地方は9千億円税収減

総務省は国会の焦点となっている道路特定財源の暫定税率が成立せずに廃止となった場合、2008年度の都道府県全体での税収減は9064億円になると試算した。都道府県別にみると、減収は北海道の578億円が最も大きく、愛知県(563億円)、東京都(505億円)が次いでいる一方、少ないのは鳥取県(52億円)や高知県(60億円)となっている。暫定税率廃止で歳入不足が生じることになれば、自治体は道路整備を縮小するか、社会保障などの他の行政サービスで使途する財源で道路整備を行うかの選択が迫られることになる。



粗鋼生産量、過去最高を更新

日本鉄鋼連盟は、2007年度の年間粗鋼生産量が前年比3.4%増加の1億2020万トンになり、これまで最高を記録した1973年(1億1932万トン)を上回り34年ぶりに過去最高を更新したと発表した。自動車などの製造業向け高級鋼が拡大したのと併せて輸出が増加したことによるもの。とくに中国をはじめとする新興国の海外需要と自動車や造船部門で堅調で推移しており、今年もさらに高水準の生産が続くものとみられている。



政府売り渡し小麦価格、4月から値上げ

農林水産省は、政府が輸入調達している小麦の国内製粉会社への売り渡し価格を4月から30%程度値上げする方針を固めた。小麦価格の値上げは中国などの圧倒的な需要拡大で世界的に小麦価格が高騰していることによるもので、昨年4月の1.3%、10月の10%の引上げに次ぐ値上げとなる。現在、小麦の9割を海外調達に依存している我が国ではその全量を政府が輸入し、国内製粉会社に売り渡す仕組みとなっている。今後さらに小麦を原材料とする製品価格の値上げに反映されてくることは避けられない。



生活保護受給高齢者の52%が無年金

厚生労働省は、2005年時点で生活保護を受けている65歳以上の約55万人の高齢者のうち、52.9%が公的年金を受け取れない無年金者であると発表した。保険料の納付期間が最低基準の25年に満たない場合や1度も制度に加入しなかった場合に年金を受給できない無年金者となる。生活保護を受けている高齢者のうち無年金者は97年から7年間で倍増している。同省の調べでは、今後保険料を払い続けても25年に満たず、確実に無年金者になる人は70万人いることが判明しており、さらに別の調査では無年金高齢者は180万人まで増える予測があり、今後生活保護予算が膨らんでいる構図がある。



世界の株式時価総額は6400兆円に

2007年末時点における世界49の証券取引所に上場する株式の時価総額を算出したところ、60兆1千億ドル(約6400兆円)になることが分かった。1年間での増加額は約10兆ドルに達した。上海市場が3.8倍にも膨れ上がるなどした中国をはじめ、新興国の急速な経済成長が時価総額に反映した形になっている。ただ、昨年後半以降は、サブプライムローン問題で時価総額は減少に転じてきている。



2千円札、5年連続で印刷見送りへ

日銀は2008年度も2千円札の印刷を見送ることを決める方針で、印刷見送りは5年連続となった。他の紙幣は損耗が激しいため毎年印刷されているのに比べ、5年連続の印刷見送りは異例ともいえる。2000年の沖縄サミットを記念して発行されたが、現在、市中で流通しているのは1億5千万枚程度で、約5億枚が日銀の在庫になっているとみられる。






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