社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年02月12日号

e-Taxデータで企業への融資を審査

従来、融資審査に際して企業から提出された税務申告書のコピーで行ってきた銀行が、インターネットを通じて国税の申告・納税を行う「e-Tax」データの提出を受けて融資審査を行う銀行が増え出してきている。三菱UFJ銀行は、昨年11月から融資を希望する企業から税務当局に提出済みの電子申告データを受け付ける「e-決算受付サービス」を開始。また、みずほ銀行はNTTデータが開発した「e-Taxデータ受付サービス」を活用したシステムを4月から導入し、融資審査が活用するとしている。電子申告データに基づく融資審査により、従来1ヶ月を要した審査期間が2週間に短縮できることやペーパーレス化などで、今後融資審査の主流となり、「e-Tax」導入企業の普及増加にもつながるとみられる。



全信組連、過去最大規模の資本支援を

全国信用協同組合連合会(全信組連)は、下部組織である山梨県民信組をはじめとする6信組に対して、過去最大規模となる約200億円を資本支援する方針を固めた。依然、不良債権比率が10.3%と高止まりを続けている信組の厳しい経営環境のなかで、建設業や小売業などの中小零細企業の倒産が増加するとともに、地価の下落も止まらない地方経済の疲弊は地方の信用組合の経営を一段と悪化させている。加えて、この3月末には地域金融機関に公的資金を予防的に注入できる金融機能強化法が切れることもあり、4月以降に破綻の懸念のある信組の立て直す狙いから、前年度末の20億円支援から一気に10倍もの大規模な資本支援を行うことになった。



米財政赤字、過去最大並みに拡大

米国の2009年度予算編成方針を示した予算教書によると、08・09年度の財政赤字は過去最高を記録した04年度(4130億ドル)に迫る、4千億ドル(約43兆円)で2年連続推移するとの見通しを明らかにした。イラクなどでの戦費拡大や加え、サブプライムローンに端を発する景気対策での歳出圧力が強まっていることが背景にある。双子の赤字と言われる、もう一方の貿易収支赤字も膨らみ続けており、予算教書に示したように今後2年間、財政赤字からの脱却が困難となれば、ドル安や金利上昇などで国内の経済の舵取りは難しい局面を迎えるだけでなく、世界経済への深刻な影響も懸念される。



個人消費刺激策に欧州各国が動く

我が国同様、原油高や物価上昇による消費低迷が続いている欧州各国では消費刺激を狙った各種政策を相次いで打ちしている。フランスは、従業員が未消化分の有給休暇を10日を上限に買い取ることを事業主に求めた。スペインは若年層向けに最長4年の月額約3万円の家賃を国庫補助、ドイツは定職者向けの育児手当の支給期間を延長する。ユーロ圏の物価上昇は前年度比3%台で推移し、インフレが加速するとともに、米国の景気減速が加わり、先行き不透明感が広がり始めたことに、機先を制する狙いがある。



来年1月、ゆうちょ・銀行間の送金可能

全国銀行協会は、同協会が運営する全国データ通信システムにゆうちょ銀行の接続を来年1月から認める方針を固めた。このことにより、銀行とゆうちょ銀行、また信用金庫や信用組合などのあらゆる民間金融機関との振込・送金が可能となる。現在、ゆうちょ銀行の貯金の預け入れや払い戻しは大半の銀行のATMでは可能となっていたが、振込・送金はできなかったが、利用者の利便性が増すことになる。



都道府県別1人当たり所得は304万円

内閣府は、2005年度の各都道府県の1人当たりの県民所得は前年度比2.5%増の304万3千円になったと発表した。1人当たり県民所得は、賃金を示す「雇用者報酬」に預貯金利子などの「財産所得」、「企業所得」を合計したものを都道府県の人口で割ったもの。前年度比でプラスに転じた都道府県は40あり、前年度の25を上回った。増加率が最高だった和歌山県(前年度比6.4%)は輸出が好調だった鉄鋼が寄与した。県民所得の1位だった東京都(477万円)と最下位だった沖縄県(202万円)とは2.36倍もの格差があった。



環境・資源問題は「科学が解決」、6割

内閣府が行った「科学技術と社会に関する世論調査」によると、62.1%の人が、資源・エネルギー問題や地球環境問題など新たな社会問題は「科学技術の発展で解決される」とみていることがわかった。科学技術が貢献すべき分野では(複数回答)、「地球環境や自然環境の保全」(72.8%)が最多で、「資源・エネルギーの開発、有効利用・リサイクル」(71.4%)、「廃棄物の処理・処分」(48.5%)と続いた。内閣府では、「地球環境問題などの解決方法の一つとして科学への期待が高まってきている」とみている。



コーヒー豆、アルツハイマー病に効果

筑波大の磯田教授は、コーヒー豆に含まれる化合物がアルツハイマー病の予防や治療に効果があると発表した。コーヒー豆に含まれる化合物「カフェオイルキナ酸」がマウスの動物実験で、神経細胞を保護したり、認知症を改善する効果があることが確かめられた。また同化合物は、サツマイモ・ニンジン・ジャガイモにも含まれている。ただ、コーヒー豆は焙煎すると「カフェオイルキナ酸」はなくなってしまう。



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