社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年01月15日号

潜在成長率、都道府県に大きな格差

日本経済研究センターが発表した05-20年度都道府県ごとの潜在成長率の推計値によると、トップは2.83%の滋賀県で、最下位は全国で唯一マイナス成長となる和歌山県で▲0.49%で、実に3.32%もの大きな格差が存在することが初めて分かった。潜在成長率は地域が中期的にどれだけ経済成長できるかを表す指標で、経済の付加価値の合計である国内総生産などを生むのに必要な供給能力を毎年どれだけ増やせるかを表している。今回の成長力格差の要因は、人口の流入・流出がカギとなった。トップの滋賀県は住みやすさに加えて、製造業の拠点が多く、人口流入が進むとみられる一方、最下位の和歌山県は急速に人口が減少するとみられる。ちなみに全国7地域での潜在成長率は、北海道・東北が1.0%、関東と中部が2.0%、近畿と四国が0.9%、中国が1.1%、九州・沖縄が1.3%となっている。



企業倒産、3年ぶりに1万件を突破

帝国データバンクによると「1-11月期企業倒産件数」は1万68件に達し、3年ぶりに1万件を突破した。負債額が1億円未満の中小零細企業が全体の60%を占めている。業種でみると、建設業が最も多く、小売業、サービス業が続いている。原材料高が中小零細企業経営を圧迫しているものとみられ、中小企業金融公庫の研究員は「原材料の上昇分を製品価格に転嫁できずに利益を減らす中小企業が増えている」とみている。景況感の悪化が中小企業に広がり始めれば、日本経済へ影響も避けられなくなってくる。



自賠責保険料、4月から値下げへ

損害保険料率算出機構は、本年4月から自動車損害賠償責任保険の保険料を約2-3割引き下げる方針を固めた。交通事故者数の減少で保険金支払いが少なくなるとともに、運用益残高も増えたことにより、引き下げができる原資が出来たことによるもの。約2-3割の値下げとなると、契約者の保険料負担額は年間5千-7千円ほど軽減となる。こうした実質保険料の引き下げは11年ぶりとなる。ガソリン価格上昇の環境にあって、保険料引き下げは朗報といえる。



今年の花粉飛散は「東日本」で要注意

環境省は今春のスギとヒノキ花粉飛散量予測によると、東海から関東・東北の東日本では昨夏の日照時間が一昨年より長かったことなどから、飛散量は昨春の1.5倍-3倍に達すると発表した。飛散開始時期は、関東や東海の太平洋側では1月31日ごろからで、九州や四国は2月10日ごろ、そして3月20日ごろには北日本に達するとみている。過去10年間の平均よりも花粉量が多いのは、青森が2.37倍、山形が1.84倍になると予測。一方、京都は0.292倍、兵庫は0.466倍と西日本では昨春を下回る見込みである。



菓子メーカーの約3割で法令順守に問題

農林水産省は年間売上高10億円以上の大手菓子メーカー322社を対象に、品質管理や法令順守体制などの社内点検状況について調査したところ、「衛生管理や事故対応に関するマニュアルがなかったり、法令順守の体制が未整備だった」企業が27.7%にも達していることが分かった。食品偽装が相次いだ業界だが、「大きな企業ですら規範のないところが多かった」と同省ではコメントしている。また、期限表示について「日付設定の基準がない」「表示方法に不備がある」などの是正が必要な企業も6.6%あった。



8割以上の自治体が休息時間を廃止

総務省は、自治体職員に有給で認めていた15-30分の「休息時間」を84%の自治体が今年3月末までに廃止するとの調査結果を発表した。人事院が「民間企業で休息時間に相当する制度はない」として2006年7月に国家公務員の休息時間を廃止したのを受けて、総務省では自治体にも廃止を求めていたもので、公務員待遇への批判が強く、一気に「休息時間」の廃止が広がった。



新成人は135万人で過去最少に

総務省は2008年1月1日時点での20歳の新成人は135万人と発表した。丙午(ひのえうま)年が成人した87年の136万人を下回り、過去最低。また、厚生労働省の2007年の人口動態統計によると、婚姻件数は5年ぶりに増加した前年を1万7千組下回る71万4千組であることが分かった。婚姻件数は都市部を中心に進展する晩婚化や未婚化が影響しているものと見られるが、婚姻減少はさらなる少子化に拍車を掛けることになる。



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