社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年12月11日号

07年度税収、予定額に届かず

2007年度の地方税収は当初計画の前年度より5.3%増を見込んだ40兆3千億円を下回る可能性が強くなってきた。本年4-9月の納税予定額は全同期比3.2%増に止まり、10月以降の税収を加えても40兆円に及ばない可能性が高くなってきた。法人2税の伸び悩みが大きく、今後計画に達しない減収分については地方債発行などの対応を自治体は求められることになりそうだ。一方、財務省は自民党税制調査会総会で、今年度の国税収入見込みは、法人税や所得税の伸び悩みを背景に、当初計画の53兆円を達成することは困難と報告した。国税・地方税とも今年度は税収予定額に達せず、来年度予算編成にも大きく影響そうだ。



労働力人口減少でマイナス成長に

厚生労働省が2030年の労働力人口が現在よりも1060万人減少するとの推計予測を発表したのを受けて、民間シンクタンクの日本総合研究所ビジネス戦略研究センターは、2030年を待たずしてあと10数年後にはマイナス成長に転じると発表した。労働力人口の減少で賃金は減って消費は低迷し、国内市場の衰退は回避できないとしている。また、企業の海外移転が加速し、製造業が競争力を失うのに加えて、労働力人口の大都市部への集中で地方経済の地盤沈下も進展してくるとしている。こうしたマイナス成長メカニズムで税収は減り、国家財政も困窮し、家計経済も増税や行政サービスの縮小も覚悟しなければならないと言及している。



石油製品卸値、12月出荷分大幅引上げ

新日本石油など石油元売大手3社は、12月出荷分の石油製品卸値を大幅に引き上げた。原油価格の上昇を理由とした引上げで、対象となるガソリン・灯油・軽油などが1リットル当り前月比で6.7円~7円の大幅な引上げとなる。引上げは3ヵ月連続となる。石油情報センターによると、11月末での店頭価格は、レギュラーガソリンが1リットル150.1円、灯油18リットル1628円となっている。



石油可採年数は、あと38年

石油鉱業連盟は、2005年末時点で石油可採年数はあと38年であるとの世界のエネルギー資源に関する調査結果を発表した。油田開発が進み石油の確認埋蔵量が増えたことにより、2000年の前回調査より5年増えている。が、中国をはじめとするアジア経済発展などでの旺盛な石油需要は生産量増加をもたらし、油田未発見分まで含め石油枯渇するまでの推定年数は68年となり、前回調査よりも11年短くなった。二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガス排出削減も考慮すれば、石油依存度を引き下げる対策が一層求められる。



建設受注総額は大幅に減少に

日本建設業団体連合会は、加盟するゼネコン54社の10月の建設受注総額は前年同月比27.1%減少の約6450億円となったと発表した。減少率は1998年5月以来約9年半ぶりの高い水準にあり、受注総額も2003年4月以来約4年半ぶりの低水準にある。背景には厳格な建築確認審査業務が求められる改正建築基準法施行に伴って、マンションなどの着工が大幅に遅れたことがある。建築不振は建設資材などの関連メーカーの業績悪化だけでなく、地方中小建設業の経営破たんを招く懸念があり、自治体などでは建設関連の中小企業向けに信用保証協会の通常保証とは別枠での融資制度を設ける動きも目立っている。



75歳以上の服薬履歴確認義務付け

厚生労働省は、来年4月から始まる75歳以上の後期高齢者を対象にした新たな医療保障制度で、患者の服薬履歴の確認を医療機関や薬局に義務付けることにした。複数の医療機関や医師の重複検査や投薬を防止することで医療費の抑制を図る狙いがある。具体的には、医師が後期高齢者を診療する際に服薬履歴を「お薬手帳」で確認して重複投薬を回避し、薬剤を交付する際にも同手帳に薬剤名を記載することを義務付ける。



多重債務者は139万人に減少

金融庁は、消費者金融などから借り入れて月々の返済支払い額が一定の「リボルビング払い」の契約が5件以上ある多重債務者は10月末時点で139万人と発表した。今年2月末時点の177万人から約2割減少した。利息制限法の上限金利(年15-20%)を超えて支払った過払い金を貸金業者から取り返した債務者が増えたと見られる。



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