社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年11月20日号

雇用2法案は今国会で成立へ

今国会に提出されている雇用ルール見直し3法案のうち、最低賃金法改正案と労働契約法案について自民と民主党の修正合意ができ、成立する運びとなった。今回の最低賃金改正案では、最低賃金が生活保護の給付水準を下回る、いわゆる逆転現象の解消を求めており、民主党が「労働者が健康で文化的な最低限度の生活が営むことができるように配慮する」との文言を付け加え、ねじれ解消を図ることで合意した。また、転籍や雇用条件などの雇用ルールを明文化することを企業に求めた労働契約法案では正社員だけでなく、パートや派遣社員にも配慮することを念頭に、「均衡の待遇」という表現を加えて合意した。残業代の割増賃金を盛り込んだ労働基準法改正については今回見送られ、継続審議か廃案かは今後決定される。



無担保・無保証人融資の限度額を引上げ

経済産業省は、中小企業向けの無担保で連帯保証人を不要とする公的融資の限度額を来年4月から現行の2.4倍までに引き上げる方針を決めた。連帯保証人不要の融資制度は、企業経営の悪化に伴い連帯保証となった家族や知人などの債務者が増えかねないとの指摘から、2003年度からスタートしている。今回の限度額拡大で国民生活金融公庫の無担保・無保証人融資は現行の2千万円から4800万円に引き上げられることになる。ただし、貸出金利は一般融資よりも0.65%上乗せされる。第3者保証人不要の同公庫の貸し出しは件数ベースで36%、金額ベースで32%を占めるほど増え続けている。



離婚での年金分割請求は半年で4千件

社会保険庁の調べによると、今年4月から始まった離婚による年金分割制度の請求件数は、9月末までに4049件あったことが分かった。女性からの請求が約4分の3の3069件となっている。また、請求のあった人を都道府県でみると、東京都や大阪府などの都市部で多かった。年金の離婚分割制度は離婚をした夫婦が対象で、例えば専業主婦が請求した場合は、夫の報酬比例部分の厚生年金を最大で5割受け取ることが可能になる。制度スタートの4月は293件だったのに対して8月は最高の709件と月を追うごとに増加傾向にあり、女性の関心が高まっている。



日本の「07年男女平等指数」、世界91位

世界経済フォーラムが発表した、世界各国の男女平等の度合いを指標化した「2007年ジェンダーギャップ指数」によると、日本は総合順位で91位となり、昨年の80位からさらに転落した。スウェーデン(1位)、ノルウェー(2位)、フィンランド(3位)、アイスランド(4位)の北欧国が上位を独占。中国(73位)や韓国(97位)などのアジアは後塵を拝している格好だ。日本が調査項目の中で、特に評価が低かったのは、国会議員数に占める女性の割合(95位)、議員や企業幹部や経営者の割合(94位)となるなど社会や政治参加の項目に加え、同じ仕事で得られる賃金水準(90位)でも男女格差があるとされている。



成人の4-8割が、がん検診を未受診

内閣府が成人を対象にした「がん対策に関する世論調査」によると、がん検診をがんの早期発見・治療につながる「重要な検査」とする回答が94.7%に達していながらも、実際にがん検診を受けたことのない人の割合は検査種類によって4-8割程度いることがわかった。今までがん検診で受けたことのない種類は「その他のがん」(78.7%)、「大腸がん」(54.7%)、「肺がん」(52.0%)、「乳がん」(50.2%)、「胃がん」(46.2%)、「子宮がん」(37.9%)となっている。同省では「5年以内に受診率50%以上にする目標で受診率向上に努める」としている。



76%の消費者が「1年後は物価上昇」

内閣府は10月の消費者動向調査で、消費者心理を示す消費者態度指数が前月比1.3ポイント下落の42.8となったと発表した。また、1年後に物価が上がると見る人の比率が今の調査を開始した2004年4月以来最高値の76%にも達し、物価上昇懸念が強まり、消費に対して後ろ向きな態度につながったとみている。内閣府は消費者態度指数の基調判断を9月の「ほぼ横ばい」から「弱含み」へと下方修正した。



倒産は7ヶ月連続増加に

東京商工リサーチは10月の倒産件数は1260件で前年同月比8.0%増加したと発表した。7ヶ月連続の増加で、とくに建設業の倒産は改正建築基準法の施行に伴う住宅着工件数の減少となり、390件と今年最多となった。負債1億円未満の倒産と従業員5人未満の倒産が全体の約6割を占めた。



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