社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年11月27日号

温暖化進行を抑えるには300兆円必要

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、総会で「地球温暖化の進行を抑えるには2050年までに約300兆円が必要になる」と発表した。現在のままに推移すると気温は世紀末に最大で6.4度上昇し深刻な事態を迎えるとした上で、気温上昇幅を2-3度に抑えなければ世界的に損失は拡大すると警告を発している。これを抑制するために2050年までに温暖ガスを半減させる必要があり、世界GDPの5.5%(約300兆円)の投資コストが必要だと試算している。



消費税を社会保障財源に

自民党財政改革研究会は、消費税を社会保障給付のための財源であるとの社会福祉目的税としての位置づけを明確にするとともに、税率を10%程度とする中間骨子を発表した。また、消費税の引き上げ時期については団塊世代が年金受給者となる2010年代半ばをメドとするとの考えも示している。骨子では、社会保障等の公的サービスは、「中福祉・中負担」とした上で、消費税引き上げ等での歳入増の必要性を国民に訴える方針を打ち出した。今後、自民党税制調査会でも「消費税の社会福祉目的税化」を念頭に入れているとともに社会保障目的税化の流れが一気に強まるものとみられる。



今後10年の道路事業に68兆円超を

国土交通省は、来年度から10年間の道路事業費で68兆円以上を費やす中期計画素案をまとめた。政府は昨年末、必要な道路整備に使途した後の余剰となった道路特定財源については一般財源にする方針を決定していたが、今回の中期計画では特定財源を全て使い切る考え方を示しており、道路特定財源の改革が骨抜きとなっている実情に加え、特定財源では揮発油税などに本来の2倍の上乗せ税率を掛けている暫定税率も来年3月の期限切れをさらに10年間延長するとしている。一般財源繰り入れ問題や原油高騰下での暫定税率の延長には、ねじれ国会も加わり相当な曲折が見込まれる。



NHK受信料で家族割を拡充へ

NHKは2008年度から家族割引制度を拡充する方針を固めた。家族割引は昨年12月から、扶養対象でありながらも離れて暮らす学生や単身赴任者に限定して適用されていたが、今回の拡充では同じ家計で暮らす父母や学生ではない子供も適用対象となる。割引率もこれまでの33%から半額となる。また、新たに事業所割引が09年2月から導入され、1つの事業所内で複数の部屋で視聴する場合には、2台目以降は半額となる。さらに08年10月までに訪問集金を廃止することにしている。



半数以上が地域とのつながり「弱い」

内閣府が行った少子化対策に関連する家族・地域の絆に関する意識調査で、自分と地域の人たちのつながりが「弱いほうだと思う」と答えた人が52.5%と過半数を超える一方、同居している家族のつながりについては「強いほうだと思う」が87.8%に達していることが分かった。少子高齢化や核家族化が進展する中で、家族との人間関係は強いものの、地域社会との交流が希薄になっている実態が浮き彫りとなった。



野菜少ない食生活は「うつ」になり易い

村上東大医学部助教授らによる調査によると、野菜や果物に多く含まれる葉酸の摂取量が少ないほど、「うつ症状」の人が多い傾向が判明した。葉酸とは、ブロッコリーなどの野菜やグレープフルーツなどの果物、緑茶に含まれるビタミンBの一種で、胎児の成長には不可欠とされている。調査では成人男女に過去1ヶ月間に食べたものを聴取して栄養分の摂取量を算出し、うつ症状者との関連を調べたもの。葉酸の摂取量が多い人では少ない人よりうつ症状が半減していた。この傾向は女性でもうかがえたが、男性ではより明瞭だった。



就職内定率は上昇で推移

厚生労働省と文部科学省との調査によると、来春卒業予定の10月1日現在の就職内定率は、大学生で69.2%、高校生で49.7%だった。大学生の内定率は4年連続、高校生は5年連続の上昇となっており、厚労省では「景気回復や団塊世代での大量退職の影響で依然企業の採用意欲は強い」とみている。都道府県別にみると、最も高かったのは三重県の71.9%、最も低かったのは沖縄県の8.9%だった。



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