社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年11月13日号

パート労働者、5年間で4.9%増加

厚生労働省の調査によると、昨年10月時点でパート労働者は約956万人となっていることが分かった。2001年同月時点と比較して約4.9%も増加したことになる。対して正社員は344万人減少の2586万人となり、同省では「企業が人件費削減のため正社員を減らす一方でパート労働者の雇用を増やしている」とみている。また、パート労働者の不満や不安として「賃金が安い」(61.8%)が最多だったが、今後の希望では、「パート等で仕事を続けたい」が68.4%もあり、また「正社員にはなりたい」が18.4%にとどまり、賃金は安いという不満はあるもののパートという働き方には満足している姿も伺える。



日銀、下振れリスクへの警戒感を示す

日銀の経済・物価情勢の展望レポートによると、本年度の実質経済成長率は今年4月予測より0.3ポイント下方修正の1.8%とし、2008年度は消費者物価の上昇もあり、2.1%に回復し、息の長い景気拡大の局面が続くとの見方を示した。しかし、米国のサブプライムローン問題で、世界経済に不確実性が生じており、下振れリスクが高まっているとの警戒感を示した。また、原油高騰などによる世界的なインフレリスクもあるとして、推移に対して慎重に注視していく姿勢も示している。



小中学校の授業時間数を1割像へ

中央教育審議会は、学力低下が叫ばれる中、2011年度から小中学校で国語などの主要科目の授業時間を約1割増加する方針を決めた。これまでの「ゆとり教育」の象徴だった総合学習は週1時間削減され、授業時間も国語や算数・数学などを重点配分し基礎学力の立て直しを図るとしている。また、小学校5年生の授業に英語が導入されるとともに、検討されてきた道徳の正式教科への格上げは見送られる方針だ。中教審では、今回、「生きる力」を育むという「ゆとり教育の理念」はますます重要になっていると指摘していながらも、学力低下批判には抗しきれなかった側面も覗かせている。



法人申告所得、過去最高の57兆円に

国税庁は、2006事務年度(今年6月までの1年間)で税務申告した法人の所得総額が過去最高の57兆828億円になったと発表した。前年度比13.3%の大幅な伸びで、1990事務年度のバブル期の約53兆円を大きく上回った。申告税額は14.8%増の14兆4578億円。申告所得は過去最高を記録したものの、法人全体での黒字申告割合は32.4%で前年度より0.5ポイントの微増という状況から見て、大企業の所得が全体を押し上げ、中小企業には依然として厳しい経営実情にあるとみられる。



残業、20代で「月30時間までなら」

人材紹介大手のリクルートエージェントが行った残業時間に関する調査結果によると、1ヶ月当りの許容できる残業時間を聞いたところ、10-20代は「30時間まで」が42%と最多だったのに対して、30代は「31-50時間」が44%で最も多かった。既婚し子供や家を持つ30代は残業代を多くもらいたいとする意向が強い反面、若い世代は自分の時間を持ちたいとする意識が表れているものとみられる。男女別にみると、「30時間まで」とするのが女性では58%、男性は30%で、男性の方が残業に寛容な姿勢が見られる。



外出回数多いと認知症リスク低下

東京都老人総合研究所は、2001年から2年間、長岡市で追跡調査した研究によると、外出する回数が1日1回以上の人は、週1回以下の人と比べて、歩行障害になるリスクが4分の1、認知症になるリスクが3.5分の1になることがわかった。同研究所では「外出することで、身体的機能のさび付きを抑え、地域活動や趣味などに積極的に関わり、寝たきりや認知症の防止に役立つ」とみている。外出頻度が高いほど健康を維持しやすいということの因果が裏付けられた。



毎日「いただきます」言う小学生、6割

政府の「25007年版食育白書」によると、食事の際に、「いただきます」などの挨拶を「いつもする」と答えた子どもは、中学生が44.9%、小学生は63.2%だった。閣議決定された食育白書では、食を通じて、規範意識を備えた人間形成を図るため、挨拶の習慣化など「家庭での食育の役割」の重要性を強調している。



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