社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年10月09日号

社会保障カード、2011年度導入へ

厚生労働省の社会保障カード導入有識者検討会は、年金や医療などの4分野の社会保障の履歴を1枚のICカードに一元管理することで合意し、2011年度の導入を図る方針を確認した。年金・医療・介護・雇用の4分野の制度の被保険者証が収録され、国民1人に1枚が発行される。利用者は年金手帳や健康保険証として使え、年金の加入記録も確認できるため、記録漏れがあれば本人で確認できるようになる。また、同カード導入に際しては、過去の健康診断や病歴などの医療情報も盛り込むことで検討会の一致をみている。ただ、導入にあたっては、国民1人それぞれに割り当てる番号を、住民票コードを使うかや基礎年金番号を使うかなどの番号の統一が課題となっている。



06年度、都道府県の税収格差は3.1倍

総務省の調べによると、06年度決算ベースで人口1人当りの地方税収の都道府県間の格差は3.1倍になることが分かった。最大は東京都で、最小は沖縄県。また、偏りの大きい法人2税(法人事業税と法人住民税)では、最大の東京と最小の長崎県の格差は6.1倍で、前年度の6.5倍から格差はやや縮小している。また、政府が来年度からの導入を目指している「ふるさと納税構想」の対象となる個人住民税の格差は前年度と同じ3.3倍になっているが、同構想の導入による格差縮小を財政が疲弊している地方自治体は期待を寄せている。



過去最高の売上高と経常益を記録

財務省がまとめた2006年度の法人企業統計によると、全産業ベースで、売上高や経常利益、設備投資、さらには株主配当などが過去最高を記録した。全産業ベースでみると、売上高は1566兆4千億円(前年度比3.9%増)、経常利益は54兆3千億円(同5.2%増)、当期純利益は28兆1千億円(同約20%増)と、過去最高を記録。製造業に限らず、非製造業も業績が好調だったことを示している。



民間平均給与は434万円にダウン

国税庁は2006年の1年間に民間企業に勤める人が受け取った1人当りの平均給与は434万9千円だったと発表した。前年比1万9千円減で、9年連続しての減少となる。男女別にみると、男性平均が538万7千円(前年比3千円増)、女性平均が271万円(同1万8千円減)となっている。業種別にみると、「金融保険・不動産業」が563万円(前年比3.3%増)、「化学工業」が562万円(同0.5%減)が上位を占める一方で、「農林水産・鉱業」が296万円(同2.4%減)と最低となっている。給与所得が300万円以下だった人は1740万人で全体の約38.8%を占め、前年より1.2%上昇している。



生活保護世帯、過去最高の107万世帯

厚生労働省の社会福祉行政業務報告書によると、2006年度の生活保護世帯(月平均)は過去最高の107万5千世帯となったことが分かった。05年度に100万世帯を突破し、累年、過去最高を更新してきている。65歳以上の高齢者世帯が44%で最も多く、次いで障害者・傷病者世帯が37%、母子世帯が9%となっている。新規で受給を受ける理由では、「けが・病気」が43%で最も多く、次いで、「収入減・失業」が18%、「貯金の減少」が17%と続いている。同省では生活保護世帯の増加の背景に「一人暮らしの高齢者が増えていることが要因」とみている。



法人税率引下げなら設備投資に

「法人税の実効税率が引き下げられれば、余裕資金を設備投資に回す意向を持っている企業が約7割に上る」ことが経済産業省の調査で判明した。調査では法人税率引き下げが実現した場合に短期的対応として減税分の資金を投資にまわす企業が68.7%に達し、同省では「法人税減税は経済成長につながる投資が増える」とみている。



高齢者虐待は1万2575件

昨年度施行された高齢者虐待防止法に基づく厚生労働省の初めての調査で、市町村に寄せられた親族等による虐待の相談・通報で、明らかに虐待があったと認定された件数は1万2575件に達した。殴る・蹴るなどの「身体的虐待」が64.1%(複数回答)、暴言・侮辱などの「心理的虐待」が35.6%、入浴や排泄の世話をしない「介護等放棄(ネグレクト)」が29.4%だった。被害者の4人に3人は女性で、年代では80台が39.8%だった。



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