社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年10月16日号

原油高、日本経済にマイナス影響

原油価格の高値推移が続いている中、大和総研は日本経済への影響を試算した。10-12月期以降の原油価格が1バーレル80ドル程度で推移する場合の2007年度実質経済成長率は1.8%、08年度は1.9%となると試算。標準シナリオとしている1バーレル70ドル程度で推移した場合と比較すると、07年度は0.1ポイント、08年度は0.2ポイントそれぞれ低下することになる。原油高は、原材料の調達コスト増分を十分に販売価格に転嫁できず企業収益が圧迫され、設備投資が減少し、雇用環境も悪化し、個人消費を冷え込ませるといった実体経済に与える悪影響循環が懸念されている。



生保会社不払いは910億円に達す

金融庁が2001年度から5年間に支払うべきだった保険金や給付金の不払い・支払い漏れ調査を生保各社に命じていたが、10月時点での生保38社の不払い額は約910億円(約120万件)にも及ぶことが判明した。4月の中間報告よりも2.5倍にも増えたが、死亡保険などの主契約に上乗せして支払うべき「特約」の支払い漏れが圧倒的に多くなっている。また、保険料の未納などで失効した契約解除で戻ってくるべき「失効返戻金」の支払い漏れも目立っている。過去に自動車保険や医療保険で約400億円の不払いを起こしていた損害保険業界の2倍以上の金額になる。



生活保護不正受給は5年連続の増加

厚生労働省は収入がありながらも申告せずに生活保護費を不正受給していた額が2006年度で約89億円を超えていたと発表した。5年連続の増加で、01年度の約46億円から比べると、2倍近くにもなっている。現在、生活保護世帯数は過去最高の約107万世帯にも上り、国(75%負担)と地方(25%)で分担して負担しており、不正受給は国と地方の財政圧迫にもつながっている。不正受給の手口として、給与明細の偽造や子供アルバイト収入などを申告していなかった。なかには、年金受給や保険金受取り、預貯金の申告がなかったケースもあった。



サービス残業の是正指導、過去最多

厚生労働省はサービス残業で労働基準監督署から是正指導を受けて未払い残業代を100万円以上支払った企業が過去最多の1679社に上ったと発表した。未払い残業代の総額は約227億円。残業代が未払いだった労働者数は約18万2千人で、労働者1人当りのサービス残業代は平均で約12万円となる。是正指導を受けた企業を業種別にみると、製造業が430社で最も多く、商業の421社が次いだ。同省監督課では、「景気回復で仕事が増えている一方で、労働時間を管理する意識が薄い企業が多く、残業代未払い問題の改善は進んでいない」とみている。



診療報酬も病状改善度合いに応じ加減

厚生労働省は膨らみ続ける医療費抑制の立場から、医師に支払う診療報酬に対して成果主義を導入する方針を固め、中央社会保健医療協議会に具体的な検討を指示する。現行の診療報酬は医療行為ごとに点数が定められ、患者の病状回復度合いを反映する仕組みにはなっていない。同省では診療報酬の成果主義導入の手始めとして、脳卒中や脳溢血などで後遺症が認められ、リハビリを要する患者の改善・回復度合いを測定しやすい回復リハビリ病棟を対象に導入する考えだ。ただ、成果主義導入によって回復度合いの高い患者だけを選択受入れ、回復が遅いと見込まれる患者を忌避する傾向を増長させる懸念が指摘されている。



「夫は外、妻は家」観に反対が上回る

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」とする考えに反対する人の割合が52.1%に達していることが内閣府の男女共同参画社会に関する世論調査で分かった。1992年の調査開始以来初めて、同価値観に反対する人が過半数を超えた。内閣府では「男女の役割分担を固定的に捉える傾向に変化がみられる」としている。



秋田県が自殺対策では日本一

 特定非営利活動法人(NPO法人)が全国の都道府県と政令指定都市を対象にした調査で、自治体による自殺対策が最も進んでいるのは秋田県であることがわかった。調査は本年6月に策定された国の自殺総合対策大綱の重点施策に準じて自治体が対策を講じたり、活動を行っているかを評価したもので、50点満点法で秋田県が44点でトップとなり、次いで岩手県(43点)、青森県(40点)が続いた。3県とも自殺死亡率が高いだけに対策強化姿勢がみられた。



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