社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2007年10月02日号

基準地価、商業地で16年ぶりに上昇へ

国土交通省が発表した2007年の基準地価によると、全国の商業地平均が1.0%上昇し、16年ぶりに上昇に転じたことが分かった。また、東京・名古屋・大阪の3大都市圏では住宅地などを含めた全用途の平均が5.1%上昇し、2年連続の上昇となり、依然として都市部で堅調なオフィスビル需要が高いことや投資マネーの流入が盛んなことを裏付けた。ただ、全国の平均の地価水準は、バブル期に比べ、住宅地では約35%下落の1983年水準で、商業地も60%超下落の1977年以降で最低水準圏にある。



「転職で賃金上昇」は過去最高の約35%

総務省の労働力調査によると、今年4-6月期に転職者のうち、「収入が前職より増えた人」の数は124万人で、転職者総数に占める割合が35.3%と過去最高になったことが分かった。景気回復と団塊世代の退職で人手不足感が広がり、賃金面での好条件で中途採用を増やしている企業実情が背景にある。とくに、年齢別にみると、15-24歳、35-44歳の転職者層での収入増加が目立っている。また、男女別にみると、女性転職者の収入増加傾向が目立った。06年に転職した人は346万人に達し、バブル期の1990年の209万人をはるかに上回っており、転職市場は活況を呈している。



国庫負担増やし、携帯「圏外」を減らす

総務省は、来年度から携帯電話が使えない「通話圏外」を解消するために、携帯電話会社が自社負担でアンテナ設置をしたがらない過疎地に、携帯電話用のアンテナを増設する方針を固めた。今年3月末現在、携帯電話をまったく使えない状況にある人口は約42万人で、同省は2009年までにこれを10万人程度減らすことを目標にしている。今年度50億円の国庫負担で携帯電話会社や自治体とアンテナや伝送路などの整備を行っているが、来年度はさらに1-2割程度増やし整備を促進し、都市部と地方の情報格差を解消するとしている。



家計金融資産残高、過去最高に

日銀が発表した2007年6月末の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は1555兆円となり、1979年度統計開始以来で過去最高となったことが分かった。金融資産のうち、投資信託は3月末から13%もの大幅な増加の約77兆円に達するとともに、年金準備金も貯蓄性の年金保険などを中心に約175兆円と過去最高を記録した。また、減少傾向にあった現金・預金残高は04年9月以来2年9ヶ月ぶりにプラスに転じ約778兆円となった。エコノミストは「団塊世代の退職金などの資金流入による効果が大きい」と、過去最高の家計金融資産残高の背景を読み解いている。



奨学金返済滞納は初の2千億円超に

政府が大学生などに行っている奨学金事業で、返済が滞納となっている額が2006年度末で初めて2千億円を超えて2074億円に上ることが明らかとなった。前年度比11%も急増し、この7年間で滞納額は倍増している。奨学金は親の収入などを審査し、有利子や無利子で貸し出し、卒業後20年内での返済が義務付けられている。滞納は、利用者のモラルの低下とみられている。回収が不能の場合は税金での負担となり、滞納が続けば一般会計からの負担額は膨らむことになる。



「3食ともご飯」は5人に1人

インターネット調査会社のエルゴ・ブレインズが行ったアンケート調査によると、1日3食ともご飯(米)を食べている人は21.8%で、5人のうち1人にとどまっている実態が明らかになった。また、3食別にご飯(米)を摂っている内訳では、多い順に、夕食(89.4%)、昼食(69.2%)、朝食(40.8%)となっており、ご飯に味噌汁という日本人の朝食イメージでのスタイルの変化が読み取れる。



教員1人の年間授業時間は578時間

経済協力開発機構(OECD)が加盟国を中心とした教育関連指標をまとめた「図表で見る教育」によると、小学校1クラスあたりの児童数は日本の28.4人なのに対して、OECD平均21人と日本が多かった。また、教員一人当たりの年間授業時間はOECD平均803時間に対して、日本は578時間と大きく下回った。他の主要国と比較し、日本は児童数が多く、教員の年間授業時間数が少ないなど、初等教育での指標格差での見劣りが浮き彫りとなった。



トップへ