社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2007年09月18日号

全国の3割の自治体が起債に制限

総務省が発表した、地方自治体の財政の健全度を示す「実質公債費比率」によると、地方債の発行を自由に行えず国などの許可が必要な自治体は全体の約3割の513自治体に上ることが分かった。実質公債費比率は、税収や地方交付税などの自治体収入に対し、公営事業なども含めた実質的な借金返済額がどれだけあるかを示すもので、18%以上になると国や都道府県の許可が必要となる。前年度の約2割から大幅に増えたことになり、地方交付税削減が影響したのに加え、さらに地方財政が疲弊している実情を改めて浮き彫りにした。



企業の経常利益率、過去最高に

財務省が発表した「4-6月期法人企業統計」によると、企業の売上高経常利益率は1973年4-6月期の4.3%を上回る過去最高の4.5%となった。売上高は前年同期比3.3%増加し、経常利益率は12%と大幅に増加した。とくに、化学・鉄鋼・一般機械などの製造業での経常利益率が10%前後もあり、高収益のけん引役を担った形となっている。原油高や社員採用増加などで収益を圧迫する要因はあったものの、売上数量が増加したことで、経常利益率が上がったとみられる。一方、企業が生み出した付加価値のうち人件費にどれだけ回したかを示す労働分配率は前期比0.6ポイント低下の61.3%となった。



広がる医療・がん保険の貯蓄タイプ

外資系生命保険会社を中心に、医療保険やがん保険分野で、掛け捨てタイプから将来かけた保険料が戻ってくる貯蓄タイプの商品の発売が相次いでいる。新たな需要の掘り起こしを図るとともに、年末にも解禁される銀行窓口での医療保険の販売をにらんだ動きともみられる。チューリッヒ生命はがん診断保険では、がんにかからなければ掛けた保険料は全額返す「がん診断保険」を9月から発売。アリコジャパンでは、保険料総額からそれまでに支払われた入院給付金や健康祝い金などを差し引いた額を支払う終身医療保険「リターンズ」を6月に発売している。こうした商品が今後主流になるとみられ、生保各社は銀行取り扱いを働きかけている。



大卒初任給、10年ぶり1千円超える上昇

日本経団連の07年新規学卒者初任給調査によると、事務系大卒初任給は前年比0.66%増の20万5074円になったことが分かった。前年比上昇額は1,354円で1997年以来10年ぶりに1千円を超えた。初任給を前年と同じ水準に据え置いた企業の割合は56.3%で、9年連続で5割を超えているが、初任給の据置き企業は03年3月の91.4%をピークに次第に減少傾向にある。「労働人口が減っていく中で若手人材の確保が始まっている」と日本経団連はみている。



カード各社、事業ローンの需要開拓に

クレジットカード各社は、改正貸金業法の成立で個人向けローンへの規制強化が図られたのに対応して、中小企業や個人事業主を対象とした事業ローンの需要開拓の強化に乗り出した。クレディセゾンは、個人事業主や同社のリース事業の顧客企業を対象に200-300万円の資金を年8-15%で貸し出すビジネスローンを10月から始める。三井住友カードも飲食店などの加盟店向けに、加盟店の売上げ情報や利用顧客層に基づいた融資基準で最高500万円まで無担保で貸し出す。規制による個人向け融資の減少を事業用資金の貸し出しで補完する狙いがある。



「悩みや不安を感じる」、過去最高

日常生活に「悩みや不安を感じる」人が69.5%にも達していることが、内閣府が実施した「国民生活に関する世論調査」で分かった。2年連続で過去最高を更新。具体的な悩みや不安は、「老後の生活設計」が53.7%(複数回答)で最多、次いで「自分の健康」が48.3%となった。年金保険料の記載漏れ問題などで老後への不安が増したと同府ではみている。



20代の8割が「漢字調べは携帯で」

文化庁の「国語に関する世論調査」によると、漢字の書き方が分からなくなった場合、20代の79.3%が「携帯電話の漢字変換」で調べていることが分かった。「辞書で調べる」はその半数以下の35.4%にとどまり、若者の辞書は携帯電話になっている実態が浮き彫りとなった。また、文書を作成する場合、パソコンを使ったことがある20代は86.6%に達する一方で、60代は27.7%で世代間の大きな違いを示した。しかし、文書作成でパソコンを使ったことのある50.8%が「漢字の書き方を忘れることが多くなった」と指摘している。



トップへ