社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年09月11日号

70歳まで雇用する企業を国が支援

厚生労働省は、60歳を超え定年年齢を迎えた従業員のうち、働きたいとする希望者全員を70歳まで継続して雇用する企業に対して助成金を支払う方針を固めた。助成金は大企業から中小企業までの全てを対象とし、助成金額は社員数に応じ、1社当たり40万円~200万円程度となる見込み。助成金以外に、人事や賃金制度の変更に伴う事務軽減を図るため、社会保険労務士の派遣も検討している。少子高齢化に伴う労働力不足を解消する狙いがあり、同省では2008年度の実施を目指している。



「人権侵害が増えた」が過去最高に

内閣府がいった人権擁護に関する世論調査によると、「人権被害が多くなってきた」との回答が過去最高の42.0%に達していることが分かった。受けたことのある人権被害の内容は、「あらぬ噂・他人からの悪口」が47.4%(複数回答)で最も多く、次いで「プライバシーの侵害」(同25.1%)、「名誉・信用の棄損・侮辱」(同20.2%)となっている。こうした人権侵害の増加の背景について、法務省人権擁護局は「インターネットの普及が影響していることが要因」と分析している。



国民医療費、3年連続で過去最高を更新

厚生労働省は、2005年度に医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)は33兆1200億円に上り、3年連続で過去最高を更新していると発表した。国民医療費は前年より3.2%の増加で、国民1人当りの医療費も25万9千円で過去最高となっている。高齢者の増加や医療技術の高度化が背景にあり、事実、傷病別でみても、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系の疾患が全体の21.5%を占めている。また、国民1人当りの医療費を年代別にみると、65歳未満の平均が15万9千円なのに対して、65歳以上は65万5千円と、高齢者の医療費が4倍以上になっている。医療費抑制のカギは高齢者にあり、予防対策が急務ともいえる。



08年度予算概算要求額は85兆円に

2008年度予算の概算要求は前年度要求より2兆円多い85兆円に上る見通しとなった。政府は歳出の上限を47兆円台前半にする方針を決定しており、およそ半分まで落としていく予算編成作業に入ることになる。概算要求では、一般歳出・国債費・地方交付税の全3分野で前年を上回っているが、特に国債費は22兆2千億円で政府が目標としている47兆円のうちの46%超を占める。国債残高の増加で利払い費が1兆5千億円増え、ますます膨らみ続ける国債が予算編成を困難にする実情にある。



仕事と家庭両立の労働時間制に助成金

厚生労働省は、仕事と家庭の両立を目指し、従業員が労働時間を柔軟に設定できる制度を導入した中小企業に対して1社あたり100万円前後の助成金を支給する方針を固めた。1日の労働時間8時間にこだわらず、自由に出社・退社時間を選択し、育児などでも働きやすい状況にして、仕事と家庭を両立させる狙いがあり、また助成金を受け取る中小企業にとっては減った従業員の労働時間分をパートや派遣社員を雇い入れる原資ともなる。仕事と家庭の両立が進めば、男性の育児参加が進むとともに、合計特殊出生率を押し上げる効果にもなるとみている。



被災者の9割が「災害用備蓄せず」

消防科学総合センターが、1995年の阪神大震災以降に震度6以上を観測した6つの地震の被災者を対象にした調査によると、災害用に飲料水・懐中電灯・カップ麺などを入れておく「非常持ち出し袋」を「被災時に備えていなかった」とする回答が90.1%にも達していることが分かった。被災後の現在も「非常持ち出し袋」を備えていないとする回答は71.4%にも上っている。また、被災時に困ったことを尋ねると、「生活用水」(複数回答65.5%)、「トイレ」(同54.4%)、「飲食用の水」(同53.5%)など、水に関するものが過半数を占めた。



国内自動車生産、12年ぶり低水準

日本自動車工業会は、7月の国内自動車生産実績が前年同月比10.5%減少の87万5千台となり、7月としては12年ぶりの低水準になったと発表した。新潟県中越地震の影響によるもので、全自動車メーカーの生産が一時中止し、業界全体で13万台近くが減産を余儀なくされた結果による。



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