社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年09月04日号

小麦価格、10月から10%程度値上げ

農林水産省は、政府が海外から調達して製粉会社に引き渡す小麦価格を10月から10%程度引き上げる方針を決めた。食料需要が急増し小麦価格が高騰するとともに、買い付けコストもかさんでいることなどから価格引き上げを判断した。国内で流通している小麦の80%以上を海外に依存しているわが国だけに、今後、小麦製品価格が引き上げられることは避けられそうにないが、同省では「パンやうどんなどの製品価格に占める小麦価格の割合は大きくないため、大きな影響があるとは思わない」との見解を示している。



パートから正社員へは9.4%に

厚生労働省が行った2006年の雇用動向調査によると、転職に際して、離職して1年以内に再就職した人のうち、パートから正社員となった人は前年より0.8ポイント上昇し9.4%になったことが分かった。その逆に、正社員からパートになった人は8.9%と逆転した。また、転職後に、以前よりも賃金が上がった人は34.0%で、前年よりも2.5ポイント上昇した。パートから正社員へ微増や、転職後の賃金上昇も雇用情勢が改善した結果と、同省ではみている。



本年末から「貸金の総量規制」を実施

金融庁は、2009年中の完全施行を目指していた、利用者が借りられる金額の上限を設けた、いわゆる貸金業法の「総量規制」を2年前倒して、今年の年末から実施することを決めた。同規制は、利用者の返済能力を超えた過剰な貸出しにより約200万人もの多重債務者を生んだとして、昨年の国会で貸金業法が成立したことに基づくもの。これにより、利用者の貸付残高が年収の3分の1を超える貸付は禁止され、また貸金業者の自社の貸付金額が50万円を超えるか、他の業者との合計額100万円を超える場合は、貸金業者が源泉徴収票などで利用者の収入状況を確認しなければならない。



家電リサイクル料金を引下げへ

家電リサイクル法に関する審議を重ねてきた経済産業省と環境省は、消費者が家電を廃棄する際に支払うリサイクル料金を引き下げる必要があるとの認識で一致し、家電メーカーに引下げ要請する方針を固めた。両省は、家電の不法投棄が年間約15万台と高止まりを続けている現状の中で、リサイクル料金を引き下げることで、リサイクル促進を図る考えだ。現在の家電リサイクル法で指定されている家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)の廃棄時には約2,500-4,800円を消費者がメーカーに支払っている。両省ではリサイクル料金が高い冷蔵庫と不法投棄の多いテレビの引下げが必要と指摘。メーカーでは下げ幅を決め、来年にも実施する考えだ。



所得格差指数は過去最高に

厚生労働省は、世帯ごとの所得のばらつきを示す「ジニ係数」が2005年に0.5263と過去最高になったと発表した。同省は、公的年金を所得に加算しないため「所得ゼロ」の高齢者世帯が増えたことによるジニ係数上昇としている。ジニ係数は、0~1までの値で示し、1に近づけば近づくほど所得格差が大きいことになる。



大学生、2人に1人は「学歴のため」

日本私立大学連盟がまとめた「私立大学学生生活白書」によると、大学の進学理由は「大卒の学歴が必要だと思ったから」と回答している学生が前回調査の4年前と比較して4.6ポイント上昇し、最多の50.2%(複数回答)に上ることが分かった。次いで、「自分のしたいことを探すため」(35.7%)、「やりたい仕事のために専門知識を身につけたい」(34.1%)となっている。学生の経済状況は、1ヵ月の総収入は平均89,200円で、総支出は71,500円となっている。



新資格で団塊世代を介護の担い手に

厚生労働省は、介護分野のボランティア活動に高齢者が参加しやすくするため、食事や掃除などを支援する「介護サポーター」と呼ぶ資格制度を創設し、ボランティア実績によっては自分の介護保険料の支払いにも充てるポイント制も導入する考えだ。その新たな資格は2009年度創設する考えで、本年中に簡易資格の内容を固める。団塊世代らを公的資格で介護の担い手として後押しする狙いがある。



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