社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年07月10日号

世界の貧困人口、初めて10億人割れ

1日1ドル以下で暮らす貧困人口が9億8千万人となり、初めて10億人を下回ったと国連が発表した。国連は世界の貧困削減を目指す「ミレニアム開発目標」は2015年までに、1990年の貧困割合である27.9%を半減することを掲げているが、2004年は19.0%と半減には至らないものの、着実に目標へ歩んでいる。今回の貧困層の減少には、中国の経済成長が大きく貢献し、東アジアでの状況が改善している。国連では、目標達成には先進国の政府開発援助(ODA)の増額が不可欠として、さらなる先進国の協力を求めている。



44%の中国企業が環境保護で違法

中国政府は環境を重視する方針や政策を打ち出しているが、このほど国家環境保護総局が発表した調査結果によると、調査企業の44%が環境保護の面で違法行為をしていることが分かった。火力発電所に二酸化硫黄(SO2)を減らす脱硫装置を付けていなかったり、汚水処理場で地方政府が運転費用を節約するために汚水処理設備の稼動停止していたりするケースが目立ち、地方や現場への政府政策が浸透していない実情を浮き彫りにした。環境保護へ懸命な政府を尻目に、環境対策よりコスト重視の企業と、その違法行為に緩やかな対応の地方政府への対応が課題となっている。



農産物価格は今後10年、高値推移予測

経済協力開発機構(OECD)は、「2007年版農業アウトルック」で、農産物価格の歴史的な高値は今後10年、構造的に定着するという予測を発表した。中国などの新興国での買い手としての存在感が増すとともに、トウモロコシなどのバイオ燃料の需要拡大などが背景にある。大豆は06年に1トン当たり289ドルに急騰したが、2016年には290ドルになると予測するとともに、コメは310ドルから326ドルと推計している。また、中国の大豆輸入は今後10年で世界の過半を占めると予測され、日本の食卓に欠かせない、豆腐や納豆などの製品価格の高騰は必至とみられる。



「県民共済」契約、最大手の日生を抜く

全国生活協同組合連合会が運営する、「県民共済」や「都民共済」などの「都道府県民共済」の加入契約件数が3月末で1309万件に達し、生保最大手の日本生命(1296万件)を初めて上回ることになった。大手生保の保険金不払いで契約を減少させた一方で、生命共済は割安な掛け金、そして1年毎に共済金や事業費を差し引いた残りが加入者に割り戻される透明性などが支持されている理由とみられる。同共済は1973年にスタートし、現在38都道府県で展開されている。前年度比6%増で、特に中高年者の加入が増え、一般生保から共済への乗り換えはさらに加速するものとみられている。



学校外での「いじめ自殺」も見舞金給付

文部科学省は、学校の管理下で起きた事故への見舞金を支給する「災害共済給付制度」で、これまで対象外とされてきた学校外でのいじめによる自殺も見舞金給付対象とすると発表した。同制度は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営しているもので、幼稚園から高校生までを対象とし、死亡やケガを補償している。これまでいじめによる自殺は対象外とされてきたが、校内での自殺は「学校管理下で起きた事故」とみなして見舞金が支払われてきていた。しかし、今回、「自殺の起きた場所で給付が左右されるのはおかしい」として、給付対象に加えられた。ただし、学校が設置する調査委員会が「いじめがあった」と認定した場合に給付されることになる。



夏レジャー予算、半数が10万円以下

日本経済新聞社が行った夏のレジャー費用調査を30-60歳の既婚男女618人を対象にインターネットで実施したところ、トップは「10万円以下」(48%)が半数近くを占めた。100万円超はわずかに3人だった。また、レジャーで最も多かったのは、「泊りがけの国内旅行」(43%)、次いで「日帰り旅行」(17%)と続いた。「海外旅行」は3%に過ぎなかった。



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