社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年05月15日号

 競争力、日本は24位、中国は15位に

スイスの経営開発国際研究所が発表した「2007年世界競争力年鑑」によると、日本は昨年順位の16位から24位に転落する一方で、中国は18位から15位に上昇したことが分かった。同研究所は、毎年、「マクロ経済」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4分野にわたる323項目を統計調査などから精査し各国の競争力をランキングしている。日本はこの4分野いずれでも順位を下げたのに対し、中国は好対照に全て順位を上げ、9年ぶりに日本を上回った。米国はマクロ経済とインフラの2分野で1位を保ち首位となったが、政府の効率性は14位から19位に、またビジネス効率も4位から6位に後退した。



08年度税制改正で「ふるさと納税」を

政府与党は、自治体間の税収格差是正を図るうえから、2008年度税制改正で、納税額の一部を故郷などの地方自治体に納税できる「ふるさと納税」を創設する方針を固め、近く総務省に有識者研究会を設置する。菅総務相は、住民税の最大1割を限度として納税できる自治体を指定できるとの「ふるさと納税」構想を掲げ、自民党の中川幹事長も企業や個人が自治体に寄付すれば納税額から税額控除できる仕組みを導入すべきとの考えを示し、大同小異の感はあるが、政府与党の方針は一致している。しかし、今後、東京都などの税収が豊かな自治体からの反発は必至とみられている。



6.5年で、企業の借金完済は可能に

日本経済新聞デジタルメディアは、財務省の法人企業統計をもとに、企業が借入金を全て返し終える「債務償還年数」を算出したところ、全産業ベースで6.5年で返し終えることが分かった。債務償還年数は、企業の長・短借入金などの有利子負債を手元現金(キャッシュフロー)を全て充てて返済できるかを示すもので、06年は全産業ベースで有利子負債残高465兆円をキャッシュフロー71兆円で除した計算で6.55年となった。バブル崩壊後のピーク時に比べ債務償還年数は半減し、業績回復に伴う借金減らしの姿が浮き彫りとなった。



模倣品被害、国内は減少も、海外で深刻

特許庁が発表した「2006年度模倣被害調査報告書」によると、05年度に模倣品被害を受けた日本企業の比率は、前年度比0.8ポイント減の22%だったことが分かった。1企業当たりの平均被害額は2億8千万円(前年度比2千万円減)。国内では、取締りの強化とともに、模倣品を買わないとする意識が拡がり減少したものの、アジア地域を中心とした国外での被害は依然として多く、とりわけ中国で模造品が製造されたと答えた企業は65.4%にも達した。



「104」からダイレクト発信が可能

NTT東西地域会社は、7月1日から、「104」の番号案内で調べた電話番号へそのままダイレクトに通話発信できる「DIAL(ダイヤル)104」の新サービスを開始すると発表した。この仕組みは、自動音声での番号案内サービスを受けた後に、音声案内に従って「1」と「♯」のプッシュホンボタンを押せば、調べた相手先に直接発信できるようになる。新サービスは、番号案内料金(63円・税込)に加え、接続手数料31.5円(税込)、通話料がかかる。新サービスは、番号案内を利用した後に電話を切って掛け直すのに手間が掛かるとの利用者からの声に応えたもので、加入電話からのみの利用が可能となる。



電子手形、09年度から運用開始

経済産業省は、今国会に手形の電子化を認める「電子記録債権法」を提出しているのに伴い、電子手形を普及させるための基本計画をまとめた。電子手形は、インターネット上で予め業種や連絡先などの情報を登録すれば、手形の発行や受取りが可能となり、紛失・盗難などのトラブルもなく、また電子化することでこれまでのような印紙税負担も不要になるばかりか、中小企業にとっては、「売掛債権を手形化して資金調達に活用する」ことも可能となる。法案は成立する見通しで、同省は09年度からの運用開始に向けて、電子手形の登録・決済、債権の所有者や権利関係の一括管理する機関を創設するために、政府の出資金の負担額を全国銀行協会と調整に入った。また、同省では電子手形は、2015年頃に残高ベース75兆円、年間流通量300兆円規模になると見込んでいる。



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