社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年05月22日号

9期連続プラス成長で、年率換算2.4%

内閣府は1-3月期の国内総生産(GDP)成長率は実質で0.6%、年率換算で2.4%になったと発表した。9・四半期連続のプラス成長となる。1-3月期は、前期まで好調だった設備投資が前期比0.9%減となったものの、暖冬により春物衣料が売れ、外食も売上を伸ばすなど個人消費が0.9%増となった。さらに、中国やインドなどのアジア向け輸出が堅調だったことがプラス成長を支えた。しかし、今後については、米国景気減速による輸出の陰りが見られることや、定率減税廃止や個人住民税負担増などによる個人消費の減速が伺え、プラス成長を持続するうえでは、設備投資が持ち直すかどうかが焦点とみるエコノミストが多い。



米国成長率、1%割込む可能性も

米国商務省は、1-3月期の米実質成長率(前年比年率)が当初発表された速報値の1.3%を下方修正する方針を明らかにした。これは3月期の貿易赤字が推計よりも大きくなるとともに、企業在庫が推計よりも少ないとの見通しに基づくもので、約4年ぶりに1%を下回る公算が強まっている。市場関係者は0.5ポイント前後の下方修正は避けられないと見ており、米国景気の減速傾向が一段と強まりそうだ。



投信の純資産残高、最高を連続更新

投資信託協会は、4月末の株式投資信託の純資産残高は前年同月比37%増の62兆4500億円となり、11ヶ月連続で過去最高を更新していると発表した。個人マネーが流入していることが大幅増の主因となっている。このうち、株式運用額は、過去最高の23兆4400億円(前年同月比21%増)で、なかでもリスクも高いがリターンも見込める外国株で運用する投信が人気を集めている。



IMF、法人税引下げ圧力強まると指摘

国際通貨基金(IMF)のキーン財政局財政課長は、政府税制調査会との会合で、法人の実効税率は国・地方合わせて約40%と高く、企業活動の国際化の進展で、国際企業が税率の低い国や地域を拠点に選んでしまうとしたうえで、その引下げ圧力が高まると指摘した。消費税については、税収に占める割合が大きいほど経済成長が速いとの調査分析をもとに、わが国における消費税引き上げの期待を示唆した。



国保、15%の自治体が納付記録を破棄

社会保険庁の調査によると、2001年度末まで国民年金保険料の徴収業務していた市区町村のうち284自治体が加入者の氏名・納付実績を記していた名簿を全て破棄していたことが分かった。このため、加入者が保険料を支払ったとしても、再調査することが困難となり、加入者本人が領収証などの支払ったことを証明する書類なければ、年金の受取額は減額や、受給できなくなるケースにもなりそうだ。破棄した市区町村は、2002年度に社保庁に業務が移管された後は保存義務がないため、保管場所の問題などから破棄したとみられる。



男性の喫煙率は39%に減少

厚生労働省が行った「2005年国民健康・栄養調査」によると、習慣的に喫煙している男性の割合は39.3%で、1986年からの調査開始以来、最低となったことが分かった。02年に約50%あったものから比べると、大幅に減っていることが分かる。一方、女性の喫煙率は03年時と同じの11.3%と横ばい状態にあり、同省では「今後、女性の喫煙対策が重要になる」と指摘している。



大卒就職率、過去最高の96.3%

厚生労働省と文部科学省との調査によると、今春4年制大学を卒業した就職希望者の就職率が96.3%になったことが分かった。就職率は7年連続での増加で、バブル崩壊後の1996年調査開始以来、最高となった。景気回復と団塊世代の大量退職に備え、企業が採用に積極的になったとみている。また、今春の高校新卒者の内定率も96.7%に達した。



日本周辺海面水温、世界の3倍上昇

気象庁の観測によると、日本周辺の海面水温が過去100年間で0.7-1.6度上がっていることが分かった。世界の平均値と比べて、最大で3倍強になっており、急ピッチで海面水温が上がっている。また、地上の気温上昇率も100年で1.1度となっており、日本全体が「二酸化炭素など温暖化ガスの排出増などで大気の温度が上がり続けている」(気象庁)とみている。地表や海面温度の上昇は、降水量の増大や高温などの異常気象を引き起こす元凶ともみられ、警戒の必要性が求められてくる。



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