社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2007年06月26日号

06年度税収、予算割れが確実に

2006年度の国税収入が、補正予算(50兆4700億円)を4年ぶりに下回ることが確実となった。税収実績は7月上旬に確定するが、補正予算での税収見積を約1兆円ほど減額となる。法人税収が15兆円(補正予算15兆8千億円)に止まるとともに、所得税収が株式譲渡や配当所得からの税収が予想ほどに伸びず5千億円程度が補正予算より下回るものとなる。こうした税収の伸び悩み傾向が顕在化し、最終への楽観論は後退して、今後、消費税を中心とした増税論議に拍車が掛かってくるものと見られる。



成長重視の『骨太方針2007』決定

政府は、経済財政改革の基本方針となる「骨太方針2007」を決定した。同方針では、「人口減少という状況の中で経済成長を持続させる」とした成長重視を表明し、このため成長力を加速させるために、労働生産性の伸びを5年間で1.5倍にする方針を掲げ、①就労支援、②IT活用によるサービス産業の革新、③金融・資本市場の改革などの「成長力プログラム」を示した。その成長力強化の要となる国際競争力を高めるための法人税率の軽減をはじめとする税制改革については秋以降に本格的な議論をすると先送りすするとともに、民間議員が提起した公共事業費の3%削減などを盛り込まないなど、歳出削減にも迫力を欠いたものとの指摘がされている。



年金や健保の保険料滞納、10万社超

社会保険庁が国会での情報公開要求に基づいて明らかにしたデータによると、厚生年金や政府管掌健康保険の保険料を1ヶ月以上滞納している事業所は、昨年5月末時点で10万6千事業所に上ることが分かった。同庁では、健康保険組合を持たない中小企業から政府管掌健康保険と厚生年金保険料を一体として徴収しているが、支払余力があるにも拘らず、保険料を滞納している企業に対しては「最終的には財産を差し押さえる」と表明している。



訪問・電話販売での解約を可能に

高齢者などが高額な販売契約を結ばされる訪問・電話販売での被害を防止する上から、特定商取引法を改正し、消費者が全ての商品・サービスにおいて、一定期間内で契約解除ができるクーリングオフが適用できることになる。また同時に、割賦販売法も改正し、信販会社に国に事前登録を義務付けし、分割払いでのトラブルを解消するとしている。両改正法案は来年の通常国会に提出される予定である。



2007年上期「ヒット商品番付」

日本経済新聞社は「2007年上期ヒット商品番付」を発表したが、東西の両横綱は「都心ランドマークタワー」「電子マネー」が就いた。大関には「メガマック」「Will」、関脇に「ワンセグ携帯」「宮崎(県)」、小結に「ハイビジョンビデオカメラ」「レッドソックス」などが番付されている。同社は、「大型ヒットはなかったが、日常生活に新風を吹き込み、楽しさや便利さを実感できる商品やサービスが上位に入った」と、番付への商品・サービスのコンセプトを評している。



ネット活用の授業、4年で2.4倍に

メディア教育開発センターの調べによると、大学や短大などでインターネットでの遠隔教育を実施した学部や研究科の割合は2006年度に16.5%に達し、過去4年間で2.4倍にもなっていることが分かった。また、遠隔教育も含め、インターネットや携帯端末機などのITを活用したeラーニングを行っている大学は56.7%と半数を超え、しかも86.2%の国立大学で実施され、公立大(37.3%)、私立大(52.6%)を大幅に上回っている実態が分かった。文科省では04年度から04年度からeラーニングで先進的な取組みを行う高等教育機関には、毎年2400万円を補助しており、今後、小中高への浸透が進むとみられる。



高齢者の8割が途上国に集中

国連がまとめた「高齢化世界と開発」報告書によると、60歳以上の高齢人口が2005年の約6億7千万人から2050年には約20億人に達し、そのうちの8割が途上国に集中するとの見通しであることが分かった。同時に報告書では、途上国の年金制度の整備が遅れており、年金改革が進まなければ、2050年には年金なしの高齢生活者は約12億人に急増すると指摘した。



トップへ