社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年05月08日号

個人向け保険契約残高、18年前水準

生命保険会社が取り扱う個人向け保険の契約残高が2007年度中に1千兆円を割り込み、18年前の水準にまで落ち込むことが確実な見通しとなった。1996年のピーク時(1495兆円)から2006年度まで10年連続で減少を続けてきている。背景には、死亡保障ニーズが縮小して来たのに加え、最近の保険金不払いによる不信感が高まっていることが挙げられ、今後さらに、解約が進み減少すると見られている。一方、日本郵政公社は2006年度末の簡易保険の保有契約高は前年度比6%減の157兆円で、8年連続の減少と発表した。低金利が続き、主力の養老保険の魅力が失せたことによるものとみられる。



「2.2人に1人」が電子マネーを利用

Edy(エディ)やSuica(スイカ)などのICカードや携帯電話を読み取り機にかざすだけで代金決済ができる電子マネーの利用会員数は07年3月末で5700万人にも達していることが分かった。前年同期比で60.6%の大幅な増加をみせ、実に日本人の「2.2人に1人」が電子マネーを利用している。電子マネーには、事前に入金した範囲内で使用できる前払い方式と、クレジットカードと連動して精算する後払い方式の2種類があり、利用者から支払いが簡単でスピーディーさが受けている。今後、イオンなどの流通グループも独自の電子マネーで参入することが見込まれ、一層の競争激化が見込まれる。



「国富」は8年連続減少で、2639兆円に

内閣府は、2005年度末時点で、土地や建物などの国民資産から負債を差し引いた正味財産(国富)は2639兆円になったと、国民経済計算を発表した。国民経済計算は、日本経済の決算書とも呼ばれ、国の経済活動を体系的に示すもの。国富の減少は8年連続の減少となっているが、その減少率は、03年(2.9%減)、04年(0.6%減)、05年(0.5%減)と、年を追うごとに縮小してきており、第一生命経済研究所では、「07年1月時点の全国の公示地価が上昇に転じ、土地デフレが終わり、06年末の国富は増加へと向かった公算が大きい」とみている。



特殊法人の欠損12兆円を政府が穴埋め

行政改革の一環で2003年度以降、雇用・能力開発機構などの54の特殊法人を49の独立行政法人に移行する際に、それぞれの特殊法人が抱えていた総額12兆円の繰越欠損金を政府出資金で穴埋めしていたことが明らかになった。穴埋めは、過去の損失を政府が出資していた出資金で相殺する形で行われているが、もともと特殊法人への政府出資金は建設国債の発行で賄われており、結果として、知らない間に、国民が12兆円を負担する形になってしまった。



地方公務員給与、国よりも17%高く

財務省は、国と地方の公務員給与について、これまでの学歴や年令をもとにしたラスパイレス指標とは別に、職責や階級で比較する新指標をまとめ、今後の地方の人件費改革に活用する方針だ。この新指標で、06年4月1日時点での全国11政令指定都市の一般行政職の月額平均給与をもとに同等のポストで比較算定したところ、地方公務員給与は国よりも17%も高いことがわかった。国よりも一番高かったのは千葉市(28.9%)、ついで名古屋市(20.7%)となっている。ただ、総務省は「地方公務員給与は国と変わらない」との立場を示しており、今後、地方公務員の人件費を巡って、財務省と総務省とのバトルが予想される。



日本の高校生、「偉くなりたい」は8%

日本青少年研究所が日米中韓の4カ国の高校生を対象にした意識調査で、日本の高校生で「偉くなりたい」と強く思うと回答したのは8%に止まり、中国(34.4%)、韓国(22.9%)、米(22.3%)より大幅に下回ったことが分かった。「偉くなりたくない理由」として、「責任が重くなる」(複数回答78.9%)、「自分の時間がなくなる」(46.7%)が挙げられた。



住宅着工戸数、4年連続増加

国土交通省は、2006年度の新設住宅着工件数は前年度比2.9%増の125万5千戸となったと発表した。4年連続の増加で、とくに都市部の分譲マンションの着工戸数が1990年度に次いで過去2番目の高水準を記録した。持ち家や貸家の着工件数も順調で、とくに貸家は前年度比3.9%増で、6年連続の増加となり、低金利を背景に投資的傾向もみられる。



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