社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年06月19日号

2015-17年に、道州制に完全移行

自民党の道州制調査会は、2015-17年後をめどに現在の都道府県制度を廃止し、道州制に完全移行する旨を明記した中間報告をまとめた。道州制に伴った国家イメージとして、国は外交・安全保障・防衛・司法などの国家戦略に欠くことのできない分野の役割を保持し、インフラ整備・産業政策・福祉・教育などの身近な住民サービス分野については道州や基礎自治体(市町村)が役割を担うとしている。その財源については、所得税や相続税などの税源を道州に移譲を進めるとともに、道州での税収格差に対しては調整システムも導入するとしている。



中小企業の事業承継に新法制定へ

自民党の事業承継問題検討小委員会は、「事業承継円滑化特例法案」を制定する方針を固め、年末に取りまとめる与党税制改正大綱に盛り込むこととした。新法では、中小企業の後継者に後継意欲を減退させないための負担軽減策が講じられている。非上場の同族会社が特定の事業用地などを後継者に相続する場合の減額幅が原則10%に過ぎない実態にあり、株式や土地などを手放さなくなる実情を踏まえ、相続税の課税価格を80%以上軽減する考えである。また、相続時に後継者以外の妻や子供に財産の取り分を保障している遺留分について、後継者に事業用資産を集中し易くするための財産分配スキームを設けるとともに、生前贈与された自社株は相続時の価値で評価されているのを改め、贈与時の額で算定できるようにするとしている。次年度税制改正の目玉となることは必至である。



家計の金融資産、過去最高

日銀が発表した2006年度末の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する預金や株式などの金融資産は、1536兆1千億円で、年度末では過去最高を記録した。この金融資産の内訳をみると、国内外の株式や債券で運用する投資信託は、前年度末比で24.5%と大幅増の68兆4千億円となる一方、現預金は0.1%減の769兆9千億円となり、低金利預金を敬遠し、利回りの高い金融商品へと資金シフトしていることを浮き彫りにした。



06年度、304億円の脱税を摘発

国税庁のまとめによると、2006年度に全国の国税局が強制捜査で摘発した脱税事件は、221件で、加算税を含めた脱税総額は304億円に上ることが分かった。このうち、悪質として検察庁に告発したのは166件で、税目別に見ると、法人税が78件で最多となった。また、消費税の告発件数は前年度比2.3倍の23件に上った。業種別に見ると、人材派遣業が13件、商品・株式取引関連が9件、外国為替証拠金取引(FX)で得た利益の所得隠しも2件あった。



簡保、即時払いを縮小する方向へ

10月に郵政民営化に伴って発足する「かんぽ生命保険」に対して、金融庁が保険審査の強化を求めていることを背景に、簡易保険の特徴である「即時払い」の適用範囲を縮小する方針だ。簡保は、職業による加入制限がなく、医師の診断も不要で、しかも請求した日に保険金を受け取れるという「即時払い」が魅力となって、契約を拡大してきた経緯がある。今回の即時払いをやめるのは、民営化後の新規契約分の生命保険にかかる入院などの際に支払われる特約部分で、死亡時の死亡保険金や満期保険金などの即時払いは継続される見通しである。また、民営化を契機に、医療や介護特約を拡大するとともに、保険金の限度額(1千万円)を大幅に引き上げる方針である。



ネットの有害情報、3割が海外経由で

インターネット上の有害サイトなどの通報窓口として昨年6月に開設された「インターネット・ホットラインセンター」に今年3月末までに寄せられた違法・有害通報のうち、27%が、日本の捜査が及ばない米国などの海外サーバーを介していることが分かった。同センターが受理した通報のうち、わいせつ画像や規制薬物販売などの「違法情報」は6924件、違法行為を誘発したり、自殺を呼び掛けるなどの「有害情報」は1901件に上り、国内のサーバーを介したものについては、警察に情報提供したほか、プロバイダーに削除を求めた。また同時に、同センターはイギリスや米国など27カ国のホットライン相互間の連絡組織「INHOPE」に加盟し、違法情報の削除に向けた情報交換を進めていくとしている。



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