社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年06月05日号

世帯所得、2.9%減の平均563万円に

厚生労働省の2006年国民生活基礎調査によると、05年の1年間での1世帯当たり平均所得は前年より2.9%下回る563万8千円であることが分かった。1988年(545万3千円)以来の低さとなった。年間所得が平均を下回った世帯の割合は60.7%で、最も世帯数が多かった所得層は年間100万円-200万円未満で全体の12.9%を占めた。しかし、職のある人の所得(稼働所得)をみると、平均額が320万6千円で前年より0.9%上回っている。1世帯当たりの平均所得が減り、1人が稼ぐ所得が増えたことについて、厚労省は「高齢者などの単身世帯が増え、世帯当たりの稼ぎ手が減った」ことが影響しているとみている。



出生率、6年ぶりに上昇し、1.31に

厚生労働省は06年の合計特殊出生率を6月上旬に発表する予定だが、6年ぶりに上昇に転じ、1.31になったことが明らかになった。05年は過去最低の1.26となり、年金などの社会保障制度見直しの必要性が叫ばれたが、将来推計人口の高位推計(楽観的なシナリオ)である1.32に近づいたものとなった。出生率が上昇に転じた背景には、団塊ジュニア世代が30歳代半ばとなり、結婚・出産が増えてきたことに加え、景気回復による雇用改善で結婚・出産に踏み切るケースが多いと見られている。しかし、専門家は「出生率の回復は一過性で終わる可能性があり、予断を許さない」との見方を示しつつ、さらなる政府の少子化対策を求めている。



法人税収、15年ぶりの高水準に

2006年度の法人税収が好調な企業業績を背景に、年度合計で15兆円を突破し、1991年度の16兆6千億円に迫る高水準となることが明らかになった。予算で法人税収は15兆8千億円が計上されているが、今年4月末段階で8兆円超の税収実績があり、企業業績が好調な上場企業の多くが3月決算で、5月末までの納税で7兆円を突破するものとみられていることや、これまで欠損繰越で法人税を納めてこなかった大手銀行の納税再開もあり、大幅な増加が見込まれている。一方、所得税では、株式譲渡益や株式配当への課税額が下回ることなどから、予算より数千億円規模での減額見通しで、18年ぶりに所得税収は法人税収を下回る可能性が出てきた。



キャッシング利用額、13年ぶりに減少

日本クレジット産業協会がまとめた2006年度のキャッシング利用額は前年度比2.4%減の5兆1千億円にとどまり、13年ぶりに減少に転じた。背景には、昨年末に成立した改正資金業法で、貸出金利が引き下げられても、融資が焦げ付かずに回収できる優良顧客を選別するうえで厳格な審査にシフトしたクレジットカード会社の姿勢があり、今後もキャッシング利用額は減るものとみられる。



高年齢者雇用義務、企業の98%が対応

労働政策研究・研修機構が従業員300人以上の企業5千社を対象にした調査で、2006年4月から60歳以降の雇用確保義務化に対応して、98.4%の企業が再雇用などの措置を講じていることが分かった。対応の内訳(複数制度導入を含む)は、再雇用制度の導入が91.3%、勤務延長制度の導入が7.7%、定年引上げが2.4%となっている。また、高年齢者社員の処遇で困る点(複数回答)について、「担当する仕事の確保が難しい」(39.6%)、「管理職経験者の扱いが難しい」(38.9%)、「継続雇用後の処遇の決定が難しい」(24.5%)などが挙げられた。



電子書籍市場、3倍に拡大

インプレスR&Dの調査によると、電子書籍は高速大容量通信ができる携帯電話やパケット通信量の定額制の普及を背景に、市場規模が前年比3倍の270億円規模に達していると発表した。携帯向けの電子コミックが電子書籍市場を拡げている恰好で、若い女性の利用が多く、移動中や就寝前などに読んでいる。電子書籍は、ペーパーレスで、大量の作品を低コストで保管できるメリットがある。



タバコ代2倍なら、3割が「やめたい」

京都大の依田教授グループは、日本のたばこ価格を欧米並みに現在の2倍に値上げすると、ヘビースモーカーの約3割が「やめたい」と指向するとの調査結果を発表した。研究グループは、1日に吸う本数や「朝起きて5分以内にたばこを吸う」と言った行動をもとに、ニコチン依存度別に分類し、行動経済学の手法で調査。最もニコチン依存度が高いグループでみると、たばこ価格が600円になると「やめたい」人が3割、700円を超えると約半数、千円になると「禁煙を考える」人は9割にも達した。研究グループは「喫煙者を減らすにはタバコを大幅に値上げする必要がある」としている。



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