社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年04月24日号

日本の労働生産性、主要国で最低

内閣府は、06年の経済協力開発機構(OECD)のデータをもとに、05年の主要国の労働生産性を比較分析したところ、米国を100とすると、日本は71で主要国中、最低の水準であったことが分かった。産業別にみると、就業者数が多い卸・小売業、運輸業、サービス業などで米国の50以下で、低迷が目立った。日本は人口減少局面にあるうえに、今後も生産年齢人口は下降していくのは必至な状況にあり、労働生産性の向上政策が不可欠だ。政府の経済財政諮問会議では、成長力底上げをにらんだ『生産性加速プログラム』を今月末に発表するが、中小企業などへ、どれだけの支援ができるか焦点となる。



中小企業の相続税負担重く、後継難

経済産業省・中小企業庁がまとめた07年版中小企業白書案によると、中小企業の相続税負担が重く、後継者難に陥っていると指摘していることが分かった。株式会社形態の中小企業の17.9%で5千万円以上の相続税が発生するとともに、後継者が決まっていない小規模企業は67.2%にも達し、このままでは廃業により企業独自の技術やノウハウが失われていくとの強い懸念を表した。その上で、円滑な事業承継を図るために、承継前の債務圧縮や後継者の個人保証の軽減が必要であることを指摘している。また、同白書案では、正規雇用者の不足感は44.9%に達し、中小企業における人材の不足感をも指摘した。



裁判員制度、3割が仕事への影響を懸念

最高裁は、2009年から開始される裁判員制度に関して、「参加への障害の理由」についての調査結果をまとめた。裁判員参加への障害になる理由は「仕事の都合」が33%で最も多く、次いで「重要な用事」(14%)、「病気・ケガ」(14%)、「育児」(12%)の順。具体的な仕事への影響では、「重要な取引先の信頼を損なう」(34%)、「製品の生産やサービス提供の遅れ」(31%)が上位を占めた。参加困難時期では、「12月」(17%)、「3月」(14%)で多く、他方、「6月」(3%)、「5・7・11月」(4-5%)では比較的参加しやすいことを伺わせた。



5年ぶりに、中小を中心に倒産が増加

東京商工リサーチは、2006年度の全国企業倒産(負債総額1千万円以上)は、前年度比1.2%増の1万3337件に達したと発表した。倒産件数の前年度比増加は5年ぶりとなる。負債総額では前年度比11%減の5兆4千億円に止まり、16年ぶりに6兆円を下回った。大型倒産が減少し、負債総額の少ない中小企業の倒産が増加したことを裏付けている。特に中小企業では、景気回復の遅れによる地方での倒産増加が目立った。また、業種別では、個人消費伸び悩みを反映して、小売業の倒産件数が3.7%増、卸売業が5.4%増となっている。



17年ぶり、中古車登録500万台割れ

日本自動車販売協会連合会は、2006年度の中古車登録台数(軽自動車除く)は、1989年度以来17年ぶりに500万台を割り込む488万台になったと発表した。同連合会では「消費者の関心が自動車以外に向いており、車全体に対する需要が落ち込んでいる」ものと分析している。2006年度の国内新車販売台数(軽自動車を除く)も1977年度以来の低水準で、ピークだった1990年度の約6割に止まっており、国内での自動車への需要落ち込みは深刻といえる。



GW休暇、平均5.4日連続

厚生労働省は各都道府県の主要企業を対象にしたゴールデンウィーク休暇状況についての聞き取り調査を行ったところ、今年の連続休暇は5.4日であることが分かった。従業員が一斉に3連休以上の休暇を取る企業は全体の89.1%。連続休暇は4月28-30日と5月3-6日に分割して取得するケースが大半だった。同省では、「カレンダーの都合で連続休暇は短くなったものの、全体的に休暇を増やそうという企業が多くなっている」とコメントしている。



ラニーニャで今夏は猛暑の可能性

気象庁は、異常気象の原因とされる「ラニーニャ現象」が5月~6月にかけて発生する可能性が高いとする監視速報を発表した。山形東大教授によると、「ラニーニャが発生すると、西太平洋で海面水温が上がり、積雲が活発になる。日本列島を覆う高気圧が例年より強まるため、猛暑となる可能性がある」と指摘し、発生すれば秋まで続く見通し。前回発生した2005年秋から翌春まで、日本列島は豪雪と厳冬に見舞われた。



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