社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年04月17日号

フランス並の少子化対策だと年10兆円

厚生労働省は、2月に発足した「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」からの要請に基づき、少子化対策の先進国であるフランスの関連施策の全てを我が国で導入すると、年間10兆6千億円の財源が必要だとする試算をまとめた。現在、日本の家族関係支出の3兆7千億円を差し引くと、新たに6兆9千億円が必要となり、消費税で補うとすると3%の税率アップが必要となるが、財政再建途上にあるなか、10兆円もの少子化対策費支出は現実的には困難視される。



賃金が増えれば、耐久財の消費が増加

内閣府は過去20年余りの雇用・所得環境と消費との因果関係についての分析を行ったところ、1人当たり賃金が増えると家電や自動車などの「耐久財」の消費が増え、雇用が増えると衣料などの「半耐久財」や食料品などの「非耐久財」の消費が増えていることが分かった。雇用が増えれば生活必需品ともいえる「半耐久財」「非耐久財」が増え、賃金が増えれば高額な「耐久財」が増えるという法則性がみられ、景気回復基調のなかで、「雇用増」か「賃金増」か、を見極めた小売業の商品構成も必要となってこよう。



06年新車販売は29年ぶりの低水準

日本自動車販売協会連合会は、2006年度の国内新車販売台数(軽自動車を除く)が前年度比8.3%減少の359万台だったと発表した。1977年度以来の低水準で、ピークだった1990年度の約6割に止まった。メーカー12社中8社がマイナス。日産自動車の17%減など6社が2ケタ減少、トップのトヨタ自動車も5.4%減少した。
車種別にみると、普通乗用車が2.3%減少と小幅に止まったものの、軽自動車との競合した小型自動車が13.5%
減少した。その一方で、排気量660cc以下の軽自動車の販売台数は過去最高となる見通しである。ガソリン高騰などの影響もあり、燃費効率を重視した軽自動車に人気が集まった感がある。



「年齢を問わず」求人が急増

ハローワークで求人募集する際に「年令不問」とする求人の割合が49.1%に達していることが厚生労働省の調べで分かった。04年12月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業が年齢制限する場合にはその理由を明示する必要が生じたことにより、同年4月には18.3%にしか満たなかった年令不問求人が一挙に増加傾向に転じた。今通常国会では、求人時の年齢制限禁止の努力義務から完全義務化する雇用対策法の改正案が提出されている。



批判くすぶる、年金一元化法案

政府は2010年度から厚生年金と共済年金を統合する年金一元化法案を国会に提出した。公務員の職域加算を廃止し、公務員の保険料率も厚生年金保険料と同水準まで順次引き上げていくとしている。しかし、法案には共済年金積立金52兆円のうち28兆円だけを新たな統合される基金に持ち寄り、残りの24兆円はこれまでの職域加算の給付確定分と今後引き上げられる保険料への補てんに充てるとしている。しかし、法案には「公平性の確保」「国民の信頼」とした一元化の理念が記されており、一元化後も公務員に甘い仕組みを残すことへの批判が集まりそうだ。



勉強は大切だが、勉強は嫌い

文部科学省が実施した学習意識アンケート調査によると、「勉強は入学試験や就職試験に関係なく大切」と肯定的に答えた生徒は84.2%(2002年調査比5.2%増)に上る一方で、「勉強が好きか」の問いでは、「勉強は嫌い」とする向きが72.3%に達していることが分かった。また、「学校の授業が分かるか」の問いでは「分かる」が41.3%だったのに対して、「分からない」とする生徒が54.1%にも達した。



自殺対策は世代別な対処が必要

政府の自殺総合対策の在り方検討委員会は、「青少年・中高年・高齢者ごとの世代別対策が必要」とする最終報告をまとめた。中高年や高齢者は自殺要因とされる「うつ病」罹患割合が高いため、精神科医の早期治療が必要であり、また青少年は「安心して弱音を吐ける環境が必要」だとして教師への啓発やメールでの相談体制の整備を指摘している。さらに、最終報告では、自殺遺族者や自殺未遂者への細心の配慮が必要との考えも示した。



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