社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年04月10日号

日本のODA昨年度実績は3位に後退

経済協力開発機構(OECD)が発表した2006年度政府開発援助(ODA)実績によると、日本の支出純額は前年度比11.7%減の116億ドル(約1兆2千億円)となり、加盟22か国中3位に後退した。日本は90年代支援額が1位を保っていたが、2001年からは米国が首位となり、今回、英国に抜かれた。ODA貢献度を測る指標である「支出純額の国民総所得(GNI)比」でみても、05年から0.03ポイント下落の0.25%となり、順位も18位で、国連がミレニアム開発目標に掲げる「2015年までGNI比0.7%」に届かない状況にある。日本は財政再建でODA予算を圧縮する方針を掲げており、今後、国際社会の中で指弾されることも懸念される。



ネット証券の株式売買代金、初の減少

SBIイー・トレード証券をはじめとするインターネット専業証券大手5社の2006年度の株式売買代金は前年度より約2.7%減少の187兆円程度となり、01年度以降初めて減少に転じたことが分かった。減少に転じた背景には、昨年1月のライブドアの粉飾決算ショックを契機に、新興市場に対する不信感が増大し、個人が売買を控えた影響が大きいと見られている。しかし、その一方で、顧客の口座数は、大手5社合計で前年比21%増の約406万口座と大幅に増えている。



損保、10月に地震保険料を改定

損害保険各社は、2001年以来6年ぶりに地震保険の保険料を10月に改定する。これは昨年5月に保険料を算出する損害保険料率算出機構が新しい保険料率を公表したのを受けて、損保各社が改定を決めたもの。全国平均でみると、非木造住宅で5%、木造住宅で9%の値下げとなる。今回の改定では、免震構造の建物が通常より30%の割引、また耐震診断を受けた一定基準を充たす建物は通常より10%割引といった、保険料を割り引く制度が新設されることになる。



温暖化、地球規模で目に見える影響が

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2部会が採択した報告書によると、人間の社会活動が温暖化の原因であり、地球規模で目に見える形で影響を及ぼし始めたと警鐘をならした。世界的に沿岸部にある湿地の最大30%が消失するとともに、動植物の種の30%が絶滅のリスクがあるとした。また、氷河の縮小で河川に流れ込む水量が減少し、水不足が深刻化し、穀物生産も落ちて食糧難も危惧されるとしている。日本においても、気温上昇で降水量が増加し、台風や熱波などの異常気象も頻発。コメの収穫量が最大で4割減少。海面上昇で約410万人が浸水被害を受けるとともに、経済被害も1兆ドルに達するとみられている。



今年の新入社員は「デイトレ-ダー型」

毎年、新入社員のタイプを命名している社会経済生産性本部は、2007年度の新入社員を「デイトレーダー型」と命名した。命名理由として「会社とともに育とうとは考えず、常に良い仕事を求めて転職をもくろむ傾向が、ネットを駆使する個人投資家の意識に近い」ことを挙げている。同本部では、景気回復で企業の採用意欲が強まってきており、良い条件の仕事場を求めて転職者が多くなると予想している。



地方公務員の給与は民間より割高

総務省の調査によると、全国の地方公務員のうち、清掃職員や学校給食員、バス事業運転手の平均給与月額は、民間の類似業種と比較して、3-5割も高いことが分かった。民間との格差が大きいのはバス事業運転手で、民間より約55%も高い平均給与月額約49万円だった。次いで、清掃職員は約42万円で約40%高く、学校給食員は約34万円で約35%も高かった。さらに、3業種における平均年齢も公務員が高いことが分かった。同省は、こうしたデータや地方公務員のラスパイレス指数などを自治体ごとにまとめて、ホームページで公表することにしている。



ホームレス、4年で3割減少

厚生労働省は、今年1月時点での全国のホームレスは約1万8千人となり、4年前と比較し、3割近く減少したと発表した。雇用環境の改善や自治体の自立支援が功を奏したとみられる。しかし、路上生活が5年以上の長期にわたる人も17%も増え、41.4%に及んでいる。



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