社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年04月03日号

中小企業パートは厚生年金適用外へ

政府・与党がまとめたパート労働者への厚生年金適用拡大策によると、従業員300人以下の中小企業やパート労働者の25%を占めるとされる学生は対象外とされることになった。新たに厚生年金適用となるパートの労働時間は現行の週30時間以上から20時間以上に改められ、適用の裾野を拡大されることになっているが、負担増加を懸念する中小企業に配慮して、中小企業は見送られた。今回の措置で新たに厚生年金対象者になるのは、10万人-20万人弱とみられ、パート労働者には健康保険や介護保険への加入も求められる。2011年9月からの施行を目指すとしている。



日本のIT競争力は世界第14位

世界経済フォーラムがまとめた『2007年版世界IT報告』によると、世界122カ国のIT(情報技術)分野の競争力の比較で日本は前年の16位から14位にアップしたことが分かった。上位は、1位のデンマーク、2位のスウェーデンを始め北欧諸国が占め、前年1位だったアメリカは7位に転落した。ITの競争力は、ITの利用環境や活用度など67分野の指標を総合したランキング形式によるもので、日本は「買い手の洗練度」「ブロードバンド通信の安さ」では1位を占めたものの、利用環境で12位になるなどした。14位という評価は、IT大国を自任する日本政府の意識とは大きな乖離をみせた。



15年間の規制緩和の効果は18兆円

内閣府は、1991年度から2005年度までの規制改革による経済効果は累計で18兆3千億円に達し、価格低下や市場拡大などで国民1人当たり14万円の恩恵があったと発表した。電力やトラック貨物輸送などの14分野における規制改革の効果を試算したもので、「競争による価格低下」「財・サービスの需要拡大」の2つの合計を算出し、規制改革がなかった場合との差を経済効果としてはじき出したもの。金額ベースで最も大きかったものは電力で、自由化や余剰電力の卸電力市場の整備などで94年度比39%も価格が下落し、経済効果は5兆6千億円超となった。また、携帯電話事業でも参入規制緩和や料金規制緩和で93年度比60%も価格が低下している。



本格回復のカギを握る個人消費が上昇

総務省は、2月の全世帯の家計調査で消費支出の季節調整済み指数は前月比0.2%上昇し、99.3になったと発表した。2ヶ月連続の上昇で、1-3月の消費支出は前期の06年10-12月を上回る可能性が高まってきた。2月期の消費支出が伸びた背景には、雇用者数が前年比1%前後で増加ペースを保っている雇用改善と、暖冬による春物衣料の出足が好調なことがある。今後、春闘での軒並み賃上げ回答が出ている状況も併せると、消費支出は好調と見られるが、「連鎖株安懸念」もあり、本格的な景気回復には予断を許さない状況にある。



「悩みなし」高齢者は55%に達する

内閣府が発表した「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、60歳以上の日本の高齢者の55.2%が「悩みやストレスが全くない」と回答していることが分かった。調査は、日本・アメリカ・韓国・ドイツ・フランスの高齢者を対象にしたもの。「悩みやストレスが全くない」とする人は日本が最も多く、ドイツが26.8%と最も少なかった。「経済的に日々の暮らしに困っているか」の問いでは、日本の高齢者の57.1%が「困っていない」と回答している。



医師の75%が「患者の意志を尊重」

日本医学会は、医師・看護師などの医療関係者と一般市民、約2万6千人を対象とした「医療の現状に関する意識調査」結果を発表した。治療方法を選択する際、「治療の選択に患者の意見や希望が生かされている」との問いに対し、医師の75.7%が「生かされている」と答えたのに対し、市民は「生かされている」と答えたのは37%にとどまり、対照的な結果となっている。また、日本の医療の満足度は、医療関係者も市民も「満足している」が3分の1にとどまり、不満が満足を上回った。



超低金利で利子所得331兆円失う

日銀の福井総裁は、参院財政金融委員会で、バブル崩壊後の超低金利によって、「家計が失った金利収入の累計」は331兆円に上ったことを明らかにした。同総裁は「低金利政策によるマイナス面の一つだが、借入金利低下の影響を含めた経済全般への効果を判断する必要がある」として、低金利政策が誤りでなかった考えを示した。



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