社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年03月20日号

戦後最長の好景気は、輸出がけん引

内閣府は2006年10-12月の実質経済成長率が年率換算で5.5%となり、02年2月から始まった景気拡大局面はいざなぎ景気(57ヵ月)を超えて59カ月間に達し、戦後最長の好景気局面にあることが確定したと発表した。この景気をけん引したのが輸出で、景気拡大期間中の輸出の平均伸び率は年率で10%に達し、この間輸出額は1.6倍に伸びた。アジア向け輸出が急拡大し、次第に生産や設備投資に波及した形の景気拡大で、過去の公共投資主体の大型景気とは様相を異にしている。また、この間の個人消費の平均伸び率は年率で1.2%に止まり、家計部門への波及が乏しく、「実感なき景気回復」と指摘されている。



OECD、家計部門への波及の必要を指摘

経済協力開発機構(OECD)のチーフエコノミストは、日本経済について「成長パターンが企業部門に偏り、家計部門に広げる必要がある」として、日本経済の成長の不均衡を指摘した。OECDは、日本の国内総生産(GDP)の予測値を年率換算2.0%と昨年11月時点の予測値に据え置き、「極めて低い為替相場でかさ上げされた輸出と設備投資が成長を促す一方、消費はさえない」と実感なき景気回復を指摘し、「家計部門への広がり」が不可欠との判断を示した。また、日本の金融政策について、「物価上昇率が着実なプラスに転じるまでは政策金利を引き上げるべきではない」と考えを示した。



転職、昨年は346万人で最高を記録

総務省の調べによると、2006年に転職した人は346万人に達し、02年の調査開始以来、最高を記録した。06年の転職は前年より6万人増加し、2年連続で増加した。女性の転職者が目立ち、06年女性転職者は5万人像の180万人で、転職者全体の52%を占めた。とくに、25-34歳の女性転職者数が57万人と最多で、「子育てが一段落し非正社員として働いていた女性層を正社員雇用へ切り替えた動き」が背景にあると識者はみている。景気回復で、即戦力となる人材確保に積極的な企業姿勢が雇用改善につながっていることを反映している。



07年度、都道府県の退職金は1.4兆円

日本経済新聞社が47都道府県を対象にしたアンケート調査によると、2007年度に支払う退職金総額は、1兆4700億円に及ぶことが分かった。06年度より24%の増加となり、支払いのピークは20府県が09年度となると回答している。大半の自治体は「退職手当債」を発行して賄う方針で、地方財政をさらに圧迫するものとなっている。退職手当債の発行額が大きいのは、北海道260億円、兵庫県の250億円などとなっている。



就職内定率、99年以降、最高に

厚生労働省と文部科学省のまとめによると、2月1日現在での4年制大学を今春卒業する就職希望者の内定率は87.7%で、1999年度以降、最も高いことがわかった。大卒内定率は前年より1.9ポイント上昇し、地域別では九州地区の4.2ポイント上昇、中国・四国地域の3.9ポイント上昇が目立ち、雇用改善が地方にも波及していることを反映した。内定率で高い都道府県は、愛知県(96.3%)、岐阜県・三重県(95.3%)で、東海地区の高さが目立った。一方、低かったのは、沖縄県(64.7%)、北海道(66.6%)、高知県(76.4%)の順になっている。厚労省は「景気回復に加えて、団塊世代の大量退職で地方企業でも採用意欲が高まっている」とみている。






年金受給しても、「働きたい」が74%

全国の50代の既婚男女を対象にしたインターネットでの調査によると、「年金を受給する年令になっても働きたいかどうか(専業主婦には夫に働いて欲しいかどうか)」を尋ねたところ、74%の人が「働きたい(働いて欲しい)」との回答を寄せ。働きたいとする回答者の理由として、「年金だけで収入不足」「年金制度の先が読めない」「社会とのつながりを持っていきいきしたい」が挙げられた。また、中には、「夫が毎日ずっーと家にいるとうっとうしい」との声もあった。



台風予報、21年ぶりに大幅刷新

気象庁は、1月18日以降から発表する「台風情報」について、台風の進路予想位置を従来の12時間刻みから3時間刻みに改めるとともに、最大瞬間風速の情報も詳細に伝えるなど、21年ぶりに大幅に刷新すると発表した。被害防止や軽減に役立つことを狙いとしている。



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