社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年03月13日号

後継者難で7万社が廃業へ

2006年版中小企業白書によると、年間29万社の廃業のうち、約7万社が後継者難による廃業だったことが判明した。経済産業省は、こうした廃業により年間20-35万人分の雇用機会が失われたものと推定している。このため、07年税制改正において、非上場株式を生前贈与する場合の非課税枠を引き上げる特例を設けるとともに、贈与者の年齢制限も65歳から60歳へ引下げるなどの措置を講じている。また、中小企業同士のM&Aに際して、後継者難による事業継続が困難な中小企業買収に特別融資を創設するなど、税制や金融面での支援策を講じている。



労働分配率は底打ちか!?

日本経済研究センターの試算によると、昨年10-12月期の労働分配率は前期比0.05ポイント上昇し62.2%となり、下げ止まりの兆候が出てきたとみられる。労働分配率は、企業が生み出した付加価値から、どの程度人件費に回されてきたかを示比率で、1998年頃から緩やかに下降し続けてきていた。この間、景気拡大局面にありながら、設備投資や株主配当が優先され、労働分配率は抑えられてきた経緯がある。労働分配率が微増となったことで底打ち感が出てきたものの、今後、個人消費拡大に結びつくと思われる春闘などでの賃上げの実現動向が焦点となってくる。



国家公務員の倫理向上せずが過半数

人事院の国家公務員倫理審査会が実施した「公務員倫理に関する市民アンケート」によると、市民の58%が「国家公務員の倫理意識は向上していない」と感じていることが分かり、依然、厳しい評価を投げ掛けている実態が明らかとなった。国家公務員倫理規定は、民間人との飲食や物品提供などへの制限を盛り込み、2000年に施行され7年を経過しているが、「信頼が高まった」とする意見は38%に止まり、大きく信頼を回復していない実情にあることが判明し、より努力の必要性をにじませている。



県民所得は2年連続で増加に

内閣府が発表した「2004年度県民経済計算」によると、1人当たりの県民所得は297万8千円で、前年度比0.3%増となっていることが分かった。2年連続の増加となる。1人当たり県民所得が前年度より増加したのは20都府県で、減少に転じたのは27道府県となっている。また、1人当たりの県民所得の地域間格差を表す「変動係数」は15.57で、前年度より0.48ポイント上昇し、都道府県間の格差が拡大している傾向にある。



月80時間超の残業割増率は50%以上

厚生労働省は、今通常国会に提出する労働基準法改正案の中に、「月80時間を超える残業に対しては50%以上の割増率を課す」という具体的数値を明記することを決めた。残業代の割増率については、①1ヵ月45時間以下だった社員に対し最低25%、②45時間超80時間の場合は25%以上の高い率を設定する努力義務を課し、③80時間超の場合は労使協議に関係なく50%以上とする3段階方式が盛り込まれる。この割増率以外に、労基法改正案には、現行では1日単位でしか取れない有給休暇について、年間5日分を1時間単位で取得できる制度が盛り込まれる。



中学生の7割が悩み!親は知らず

内閣府は小中生と保護者を対象にした「生活と意識に関する調査」で、中学生の70.9%が悩みや心配事を抱えている一方で、保護者が悩んでいる内容を「知っている」のは、僅か7.4%に過ぎなかったことが分かった。悩みや心配事を抱える中学生は10年前と比べ14.6ポイント増加している。悩みの内容(複数回答)で最も多いのは、「勉強や進学」(61.2%)で、「友達・仲間」(20.0%)、「性格」(18.7%)と続いている。中学生の悩みの相談相手は、「同性の友達」(69.8%)、「母親」(54.5%)、「父親」(24.4%)の順になっている。平日子供と殆んど接触しない父親が6年前と比べ9.2ポイント増の23.3%に達していることも明らかになった。



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