社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年03月06日号

正社員雇用、37万人増加

総務省が発表した2006年の労働力調査によると、正社員数は前年より37万に増加の3411万人となっていることが分かった。企業の業績回復とともに、事業拡大と団塊世代の大量退職に備えておこうとする企業の姿勢が鮮明となってきている。この増加のうち、前年比32万人増加の製造業が目立っており、生産増に加えて、団塊世代の退職に備えて、技術伝承のための正社員確保に動く製造業特有の狙いがあると見られている。正社員の増加は、調査開始の2002年以来初めて増加に転じた。



ガソリン販売量、33年ぶりの下落率

資源エネルギー庁は、1月のガソリンの国内販売量は前年同月比7.4%減となり、単月で1974年以来33年ぶりの大きな下落率となった。ガソリンは、昨夏の高騰以来、国民に節約意識が浸透したことや、燃費の良い軽自動車やハイブリッド車へ乗り換えなどが影響したための下落と見られている。ガソリン以外でも、暖冬により、灯油販売量は27.8%の大幅な減少になったのをはじめ、自家発電に使用するA重油が23.9%減、火力発電などでの燃料となるC重油が21%と、主要油種が激減した。



今冬の平均気温、歴年トップに

気象庁は、今冬(06年12月-07年2月)の平均気温が平年を1.52度上回り、統計が残っている1899年(明治32年)以降で過去最高だった1949年と並び、暦年でトップとなり、数字の上からも、暖冬が裏付けられた。全国153の観測地点のうち、東京など63カ所で観測史上最高を更新し、青森など12ヵ所が史上タイ記録となった。また、今冬の降雪量は統計記録のある1962年以降、過去最少を更新。例年降雪量の多い北陸地方は平年の9%にとどまるなど、降雪量観測地点の20地点で過去最少を記録した。暖冬となった主因として同庁は、①北極振動の影響で日本への寒気が南下しなかったこと、②エルニーニョ現象で西高東低の気圧配置が崩れたこと、③地球温暖化の3つを挙げている。同庁は、3-5月も平年気温より高く、4-5月は高温が続くと3ヵ月予報を出している。



団塊世代の約3割が、技能伝承に不安

労働政策研究・研修機構が団塊世代を対象にした調査で、団塊世代の28.4%が「技能伝承が後世代に十分に伝えられていない」と不安に感じていることが分かった。不安な理由(複数回答)として、「技術を伝える相手がいない」が42.0%で最も多く、次いで「会社のサポートが足りない」(27.1%)、「時間が足りない」(23.9%)となっている。中小企業を中心に、伝える相手となる人員不足や業績回復優先で、技術伝承まで手が回らない実態がうかがえる。同機構では、「日本経済を支えているのはものづくりであり、企業は技術を伝えるシステムを作っていくべきだ」とコメントしている。



メタボリック減少率と負担率を連動に

厚生労働省は、メタボリック(内臓肥満)症候群群の患者や予備軍が一定期間内に国が定めた基準に達しない場合は、健康保険組合や国民健康保険などの各健康保険の保険財政に反映し、各健保が拠出する負担金を増額するシステムを導入する検討に入った。メタボリックの予防・改善を目的に、2008年度から40歳以上の全員を対象とする新しい健康診断や保健指導の実効性を高めるとともに、医療費を抑制する狙いがある。新たに導入されるメタボリック減少率と各健保の負担率との連動制度は、12年度までの減少率に基づき、13年度以降の負担率を決めるとしている。しかし、保険料の半額を負担する事業主からは、「メタボリックは個人の生活習慣によるのが主因で、企業が保険料で責任を負うのは筋違い」との反発の声もある。



「子育て新税」、全国で初導入か!?

秋田県は、個人県民税の所得割に0.4%上乗せし、子育て支援や教育の財源とする新税創設の骨子案をまとめた。2009年度の導入を目指す新税では、年間約25億円の税収を見込み、保育料助成や在宅育児支援などの少子化対策と教育への使途目的を限定した課税で、実現すれば全国で初めての自治体導入となる。年収400万円の夫婦・子供2人の世帯では、年間3200円の負担増となる。



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