社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年02月27日号

中小企業のM&Aに融資で支援

経済産業省は、中小企業間同士のM&A(企業の合併・買収)を支援するための新融資制度を新設し4月から実施する。この融資制度は、後継者難で廃業寸前の中小企業を他の中小企業が買収するための資金を融資するもので、貸付限度額は中小企業金融公庫扱いが7億2千万円、国民金融公庫扱いで7200万円となる。これらは一般貸付とは別枠で融資が受けられる。雇用不安を招きかねない廃業を阻止する狙いがある。



サラリーマンは消費より貯蓄で備え

総務省の家計調査によると、2006年のサラリーマン全世帯の平均貯蓄率は27.5%で8年ぶりに前年を2.2ポイント上昇していることが分かった。貯蓄率は、毎月の収入から税金や社会保険料を差し引いた可処分所得のうち、消費に充てず、手元に残したお金(貯蓄)の比率で、昨年の1ヵ月当たりの可処分所得は44万円で前年より0.1%増えたが、消費は2.8%減らし、貯蓄は8.6%増やしている。とくに、30代から50代の働き盛り世代の貯蓄率が前年比で1.9-3.8%上昇し、家計は消費よりも貯蓄に回すことを優先する姿が鮮明となった。



医学やIT進歩で、労働力人口は増加

政府は、日本の将来像を示す「イノベーション(技術)25戦略」の中間報告で、医療の発達で元気な高齢者が増えるとともに、ITを使う在宅勤務の広がりなどで2025年の労働力人口は05年に比べて、400万人増えるとの試算をまとめた。同戦略会議は、2025年に向けて、日本の技術や社会、制度の改革を進める方策を検討するため、昨年10月に設置された。少子高齢化により現在のままで推移すれば、労働力人口は750万人減ると予測されてきたが、同報告の例示では、医学の発達で認知症治療薬や骨とほぼ同じ機能を持つセラミックスの開発で、高齢者が丈夫な身体で働けるとともに、出産を控えた女性がIT活用で在宅勤務できることなどで労働力人口が増えるとしている。



サラリーマン持ち家比率、約7割に

総務省の調査によると、2006年のサラリーマン世帯の持ち家比率が前年比1.2ポイント上昇し、69.9%に達していることが分かった。持ち家比率は1986年以降で最高水準となっている。低金利や地価の下げ止まりを背景に、20代後半-30代の団塊ジュニアがマイホーム取得に動いたとみられる。また、サラリーマン世帯のうち、住宅ローンを抱えている世帯比率は34.3%(前年比1.5ポイント上昇)に達した。



厚生年金保険料の育児休業免除が増加

厚生労働省の調べによると、2005年度末時点で、育児休業中に厚生年金の保険料が免除された人は、前年度比24%と大幅増加の9万7千人に達していることが分かった。育児休業中での収入が大幅に減収になると保険料負担が難しくなるため、社会保険庁に届ければ子供が一定年令に達するまで保険料が免除される仕組み。05年4月から適用条件が緩和されたため、利用者が大幅に増加し、06年度も増加傾向が目立っているとみられる。



週休3日制導入や在宅勤務推進を

政府は、育児や介護などの家庭生活と仕事との両立を目指した職場環境作りに向けて、「ワークライフバランス」の指針を専門調査会で取りまとめる。指針では、部分的な週休3日制の導入や、出産退職した従業員の再雇用、在宅勤務の推進、育児休業の拡充を盛り込み、地方自治体や企業に促すとしている。多様な働き方を可能にし、少子化対策を後押しする狙いがあり、中小企業への積極的な導入も視野に入れている。今夏までに細部をまとめ、今年の骨太改革にも盛り込む考えだ。



「豚」年の今年、中華圏は出産ブーム

中華圏の干支は「豚年」にあたり、豚年生まれは金運に恵まれると信じられているため、中華圏や韓国で出産ブームが起こると見られている。事実、北京の産院では前年の50%増の出産予約されており、また、出生率が世界最低水準の香港では前年比10%増加すると当局が予測している。こうした予測に基づき、ベビー用品メーカーや紙おむつメーカーは前年比10%の売上増加を見込み、増産体制の整備やキャンペーンを展開している。



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