社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年02月06日号

家計の国債保有残高、初の30兆円超

日銀の資金循環統計によると、昨年9月末時点で家計が保有している国債の残高は30兆435億円で、初めて30兆円を突破したことが分かった。前年同月比20%増となり、05年3月末に20兆円台に乗せてから僅か1年半で10兆円もの国債を買い越しする実態が明らかとなった。背景には、長引く超低金利を嫌い、一旦はより高い利回りを求めて投資信託などへの投資に向かったが、国債の利回りが上がってきたことで、少しでも投信リスクを避けたいとする向きが国債購入を進めたものとみられる。家計が国債保有を高める一方で、金融機関は民間の資金需要が高まってきたため、国債保有を低下する傾向にある。



1ヶ月の現金給与は、0.2%の微増

厚生労働省は、2006年毎月勤労統計調査(従業員5人以上)で、1ヵ月平均の現金給与総額は前年比0.2%増の33万5522円であると発表した。2年連続で前年を上回ったことになるが、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比0.6%減となり、景気回復が賃金に十分に波及していない実態が浮き彫りとなった。



非正規雇用者、5年で約15%増加

総務省は、パートやアルバイトなど雇用契約期間が1年以内の非正規雇用者は、2005年10月時点で772万人であることが国勢調査の労働力集計で分かったと発表した。前回調査の5年前と比較して14.8%増えている。就業者数に占める非正規雇用者の割合は12.5%となっており、都道府県では沖縄県(16.6%)、北海道(15.4%)が高くなっている。



建設受注額、官分野は33.2%減

日本建設業団体連合会は、2006年の建設受注総額(会員54社)は13兆4千億円で、前年比2.6%減少したと発表した。民間分野や海外は堅調に推移したものの、官公庁分野は33.2%(受注総額2兆3千億円)と大幅な受注減となった。



雇用回復感拡がり、人手不足感が

総務省は、2006年平均の完全失業率は4.1%と4年連続の改善したと発表。全国10地域で見ても、北海道と北陸を除く8地域で前年より改善するとともに、15歳-29歳までの若者層での改善がみられた。有効求人倍率でも1.06倍と、14年ぶりに1倍台を回復。さらに、06年の雇用者数は前年比79万人増加し、過去最高を更新する5472万人となった。とくに、小企業(従業員1-29人)の雇用者数が4年ぶりに増加した。「地方」「若者」「中小」での雇用回復感が顕著になり、今後人手不足感が拡がっていくのではとみられている。



離婚時年金額の相談、女性が多く

社会保険庁が昨年10月からスタートした「離婚時に受け取れる厚生年金額を通知するサービス」での相談件数が3ヶ月間で1万5千件に上ることが分かった。このうち、社会保険事務所を訪れた相談者は男性が19%だったのに対して、女性が81%と圧倒的多数を占め、今年4月から始まる年金分割問題に対しての女性の関心の高さを示した。同庁では、「年金分割制度開始後は熟年離婚が増えるのではないか」との見方を示している。



4人に1人が、介護を機に離職・転職

労働政策研究・研修機構の調査によると、家族の介護を契機に4人に1人が「仕事を辞めたり、職場を変えたり」していることがわかった。調査は介護を必要とする家族がいる30-59歳の男女を対象にしたもの。介護を契機に離職・転職した人の職務・職制は、「営業・販売職」(32.4%)、「事務職」(26.9%)、「保安・サービス職」(25%)となっている。介護休業の取得経験者は1.5%と低く、取得しなかった理由として「家族の助け・外部サービスで対処できた」が78%と最多だったが、「介護休業制度がなかった」(57.5%)、「休業を取得すると収入が減る」(29.3%)の回答もあり、こうした実態をもとに、制度の再構築が不可欠ともいえる。



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