社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年01月16日号

貿易収支、米・中、好対照で過去最大に

米商務省は2006年1-11月の貿易収支が前年同期比7.5%増の7016億ドルとなり、5年連続で過去最大を更新したと発表した。一方、中国国営の新華社は、2006年度貿易黒字が前年比74%増の1774億ドルとなり、過去最大を記録したと報じた。米国と中国それぞれの好対照的な貿易収支の結果は、米議会の人民元改革や輸出主導型の経済成長への不満を募らせることは必至と見られている。



残業の割増率を3段階に

厚生労働省は、残業代の割増率を残業時間に応じて、3段階の割増賃金を支払う制度を導入する方針を固め、通常国会に提出する。同省原案の残業代の割増率は、①1ヶ月の残業時間が45時間以下だった社員に対しては最低25%、②45時間超80時間以下の場合は25%を上回る率を労使協議で設定、③80時間を超える場合は一律50%を義務付ける、という3段階を設定している。80時間は過労死の危険性が高まる残業時間とされ、今回の改正で長時間労働を是正する狙いがある。この割増率は平日の残業が対象で、深夜残業はさらに上乗せが付くことになる。今後、経済界からの反発が予想される。



緊急小口融資の上限を引き上げ

厚生労働省は、低所得者向けの緊急小口融資制度の上限を現行の5万円から10万円に引き上げる。この制度は、概ね年収200万円以下の世帯を融資対象としたもので、病気や火災、盗難などで緊急にお金を必要とする人に、申し込みから2-3日で融資する仕組みとなっている。消費者金融からの借入を契機とした多重債務に陥ることを未然防止する上から、現行の2倍に引き上げるとしている。これまで、制度を知らない向きが多いことや上限金額が5万円と少ないことなどから、利用者は年間約1500件に止まっていた。同省では2007年度中に引き上げを行うとともに、制度の周知徹底に努めるとしている。融資年率は3%となっている。



交通事故死、51年前の水準に

警察庁のまとめによると、2006年1年間の交通事故死者数は、前年比7.6%減の6,352人で、1955年以来、51年ぶりの6千人台前半になったことがわかった。6年連続で減少している。同庁では、「シートベルト着用率の向上と、飲酒運転取締り効果があった」とみている。都道府県別に死者数をみると、愛知県が338人と突出して多く、次いで、北海道277人、千葉266人の順となっている。逆に少なかった県は、鳥取県39人、島根県46人、山形県57人となっている。



銀行はシニア世代を焦点に優遇策

三菱東京UFJ銀行は、60歳以上を対象にした優待サービス「クオリティ・ライフ・クラブ」の会員募集をスタートした。同クラブの会員は、外貨預金の為替手数料を優遇されたり、旅行会社大手のJTBと提携した旅行サービスが受けられたり、健康相談も受けれる仕組みで、2010年度までに30万人会員を目指す。また、みずほ銀行は、退職金専用の定期預金の取扱いを始めた。店頭金利よりも高い金利で優遇する。投資信託や国債などの運用商品も提案する考えだ。団塊世代の大量退職時代を迎え、退職金などで資金的には余裕のあるシニア世代を優遇・優待する銀行の動きは、今後各行に広がると見られる。



新成人の半数が「いじめ」に遭った

結婚情報サービス会社の「オーエムジー」の調査によると、新成人の47%が学校や職場でいじめられた経験があると答え、このうち29%が自殺を考えたと回答していることがわかった。一方、いじめたことがある人は38%いた。「周囲の大人は何もしてくれない」との回答が76%あった。いじめ対策が急がれる政府だが、新成人の84%が「今後も改善されるとは思わない」と悲観的な見方をしている。



再び、大都市へ人口集中が加速

総務省の住民基本台帳の人口移動報告によると、大都市圏への転入超過現象が起きていることが分かった。昨年、東京圏に移り住んだ人は転出した人を13万人余り上回った。02年から5年間の転入超過数の合計は58万人で、バブル期の累積51万人を上回っている。名古屋圏でも、06年、1万8千人の転入超過数となり、高度成長期の73年に匹敵する規模となるもようだ。



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