社会・経済のうごき@しんぶん
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2007年01月23日号

1人当たり名目GDP、日本は14位に後退

内閣府がまとめた2005年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)は、前年比1.2%減の3万5650ドルで、経済協力開発機構(OECD)30カ国中、14位となることが分かった。前年の11位から後退したことになり、円安の進展と他国の成長率が日本を上回ったことが要因とみられる。日本がトップだった1993年以降、1年1順位を後退している計算となる。内閣府では、構造改革が先行したアイルランド、英国、オランダなどの国が高い成長率を遂げている点を指摘しつつ、「構造改革の遅れが日本の順位低下の要因」と分析する。



05年度貯蓄率、過去最低に

内閣府は、2005年度の家計の貯蓄率が3.1%となり、調査開始の1955年度以降で過去最低となったと発表した。8年連続の低下で、貯蓄率の低落に歯止めがかからない状況にある。貯蓄率低下の要因は、高齢者層が蓄えを取り崩して消費に充てる世帯の割合が現役世帯よりも高いことや、超低金利政策による利子所得の減少がある。今後、団塊世代の大量退職に加え、増税の可能性が高く、貯蓄率はさらに減少するものとみられる。貯蓄率がマイナスに転じれば、国内資金が枯渇して、経済活動に必要な資金が不足することにもなりかねない。



出生率2040年、1.75も可能に

社会保障審議会は、厚生労働省が実施した意識調査をベースに、国民が持つ結婚や出産についての希望が全て充たされた場合、2040年の合計特殊出生率は1.75にまで高まるとの試算を発表した。今回の試算は、効果的な少子化対策を実施した場合に、最大どれだけの改善が可能になるかを国民に示す狙いがある。若年世代の9割が結婚を希望し、平均で2人以上の子供が欲しい、との意識調査をもとに、理想通りであれば2040年には1.8となり、離婚や死亡を差し引いても1.75が最善のシナリオでの潜在出生率としている。政府は2月に新たな少子化対策の会議を発足させるが、どこまで有効な対策を打ち出せるか疑問視する向きも多く、2040年の合計特殊出生率1.75達成は現実的に困難視される。



携帯クレジット会員、260万人を突破

携帯電話をかざすだけでショッピングができ、代金後払いシステムの「携帯クレジット」の会員が260万人を突破した。携帯クレジットは3規格があり、それぞれ1月時点の会員数は、「iD」が150万人、「クイックペイ」が100万人、「ピザタッチ(スマートプラス)」が10万人となっている。昨年同時期には約4万人だったのに比べ、会員は急増してきており、今後もコンビニストアでの全店利用やタクシーでの活用導入などもあり、増加傾向は揺るぎそうにない。なお、前払いシステムの電子マネーでは、「エディ」「スイカ」の延べ会員数は4千万人となっている。



倒産、5年ぶりに増加に転じる

東京商工リサーチは、2006年の全国倒産件数(負債総額1千万円以上)は、前年比1.9%増の1万3245件に達し、5年ぶりに増加に転じたと発表した。負債総額では17.9%減の5兆5千億円で6年連続の減少となった。倒産の特徴としては、①宿泊業・建設業・小売業などの内需型企業が目立ち、また、②倒産企業のうち従業員5人未満の小企業が6割を占めている。今後も、公共事業縮小や人口減少などにより、地方の小規模企業を中心とした倒産増加が懸念されている。



百貨店売上高、10年連続前年割れ

日本百貨店協会は、2006年の全国百貨店売上高は前年比0.7%減の7兆7700億円で、10年連続で前年を下回ったと発表した。ピークだった1991年の売上高(9兆7130億円)から2割強減少している。昨年は、夏場の天候不順や暖冬などで主力商品である衣料品が振るわなかった。同協会では「景気に多少の明るさはあるものの、消費に力強さがない」と指摘している。



日常生活で「不安感じる」、過去最高

内閣府の「国民生活に関する世論調査」で、「悩みや不安を感じている」と答えた人が67.6%に達し、過去最高となったと発表した。調査は全国の成人1万人を対象にしたもの。悩みや不安の具体的な内容(複数回答)として、「老後の生活」(54%)、「自分の健康」(48.2%)、「家族の健康」(41.2%)、「今後の収入や資産の見通し」(38.2%)が挙げられた。また、生活の自己評価では、「中の中」(54.1%)と最も多く、次いで、「中の下」(26.3%)、「中の上」(11%)の順となった。



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