社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年12月26日号

出生率1.2前後に低下、年金に影響

厚生労働省は将来推計人口で、女性が生涯に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率の長期見通しを大幅に下方修正することが分かった。人口推計は国立社会保障・人口問題研究所が5年に1回がまとめており、前回の試算では2030年代から出生率は1.39で安定する見通しを示してきたが、01-05年の間に非婚化・晩婚化が進み、05年の出生率は0.05ポイント下回り過去最低の1.26となった。このため2050年ごろにかけての推計値は1.2前後となり、先の出生率1.39をもとに設計されていた年金制度に大きな影響を及ぼすことが確実となった。
また、50年後の2055年の将来推計人口は現在から3割減少し、9千万人を切るとみられる。



信用保証融資焦付きに金融機関も負担

経済産業省は2007年10月から、中小企業向けの公的信用保証制度融資で焦げ付いた場合、金融機関にも損失額の20%を負担させる仕組みを導入する。現在は、融資の焦げ付きが発生した場合は全額を信用保証協会が穴埋めしてきているが、金融機関に一部を負担させることで、融資審査や融資先に対する経営支援の強化を促す一方で、政府負担を軽くする狙いがある。対象は2007年10月以降契約分から適用となる。



減額したものの、国債依存度は30.7%

2007年度予算における新規国債の発行額は25兆4千億円で前年度より4兆5千億円減額となった。歳入に占める国債発行収入の比率を示す国債依存度は、37.6%から30.7%となったものの、依然として国家予算の30%を借入れに頼る借金体質となっている実態は変わっていない。



トヨタの生産台数が来年世界一に

トヨタ自動車は、2007年の世界生産台数を942万台とする計画で、北米の不振が続く首位の米ゼネラルモーターズ(GM)は今年の918万台から増産するのは難しい状況にあり、トヨタが生産で世界一になる可能性が高いことが分かった。同社社長は「首位になるかどうかは結果の問題。どういう状況でも品質向上や技術開発に注力する姿勢は変わらない」と慎重姿勢を崩していない。



10.7%の市が「倒産の懸念」抱く

日本経済新聞社が行った全国の市と東京23区を対象にした調査によると、10.7%にあたる82市が倒産に匹敵する「財政再建団体に転落する懸念」を抱いていることが分かった。そのうちの約3分の1にあたる28市は3年以内に転落する恐れがあると回答している。地域別で見ると、九州の19市で、次いでに北海道の7市で、産業構造の転換に苦慮している地域が目立った。具体的な転落時期で最も多いのが「2012年以降ごろ」の16市で、それ以前に転落するという市も53市があった。一方、市町村全体で見ると、総務省が集計した自治体財政指標である「経常収支比率」で警戒ラインとされる90%を上回っている自治体は05年度決算で半数にものぼっており、自治体倒産はカウントダウンの様相にある。



50代の7割が「60歳以降も仕事」

厚生労働省が50代を対象にした「中高年者縦断調査」によると、50代の7割以上が「60歳以降も仕事を続けたい」と考えていることが分かった。同省が50-59歳までの50代男女を対象にしたもので、今後の高齢者施策に反映するために実施された調査。仕事を「60歳以降も続けたい」と回答したのは全体で70.9%(男性82.1%、女性60.4%)だった。「60歳以降の生活の賄い方」については、「64歳までは仕事の収入で生計を立てたい」66.9%だったのに対して、「公的年金で賄う」が32.1%にとどまった。年金を当てにせず、60歳以降も働こうとする50代像が浮き彫りとなった。



生産性、規制緩和で7.59%向上

内閣府は1995年から2002年までの規制緩和で、日本経済の生産性がどの程度押し上げられたかの試算のまとめによると、製造業で2.98%、非製造業で4.61%、合計7.59%の向上が見られたことが明らかになった。日本経済の潜在成長力を高める上で、生産性の向上が必要とされるが、規制緩和が生産性を押し上げ効果を果たしたことが裏付けられた。



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