社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年11月28日号

リストラ解雇の条件を明文化

厚生労働省は、新たに制定する『労働契約法』で、企業がリストラ解雇できる条件を明文化する方針を固め、労働政策審議会に諮ることとした。企業に課される整理解雇に必要な4条件として、①業績不振などで人員削減の必要な理由があるか、②経営合理化などで解雇を避ける方策を取ったか、③解雇する社員を選ぶ明確な理由があるか、④解雇する社員や労働組合に説明を尽くしたか、が挙げられている。同省では、これら4条件を全て満たさないと解雇は無効といったものではなく、総合判断するための要素としての弾力的な位置づけを図る方針である。



年金保険料、民間徴収が好結果

このほど明らかになった市場化テストによる国民年金保険料徴収の初年度納付実績によると、2005年10月-06年9月の1年間で民間業者が徴収した実績は、社会保険庁の04年度実績を2.3%上回り、『民』が『官』を超えた。国民年金保険料徴収の市場化テストは、弘前や宮崎などの全国5ヵ所の社会保険事務所でモデル事業として行われたもので、5ヶ所のうち4ヶ所で保険料の納付月数が社保庁の実績を上回った。また、市場化テストにおける民間業者の落札価格は社保庁よりも大幅に下回り、費用対効果で見ても民間が優位に立った。06年からは30事務所、07年からは95事務所に市場化テストが拡大される。



来年から法テラス相談、メールも可能

10月に全国各地に設けられた日本司法支援センター(法テラス)では、来年1月から24時間受付が可能な電子メールによる相談受付を開始する。法テラスは、身近なトラブルの解決に最も適した機関や団体を紹介することを目的に開設され、電話によるコールセンターでの相談受付けや70ほどある全国各地の地方事務所や出張所で職員が面接対応している。開業して1ヵ月の10月は約3万5千件の問合せが殺到している実情に配慮して、メール相談を受付けることにしたもので、メール送信者が抱えるトラブル内容や居住地などから、適切な相談機関や団体を入力して返信するとしている。



賃金不払い、8年連続で増加

厚生労働省によると、労働基準監督署の事業所への定期監督で賃金不払いが発覚したケースが2005年に2518件に達し、8年連続で増加していることが分かった。前年比6%の増加で、業種別に見ると、小売業(338件)、卸売業(134件)、食品製造業(124件)が多かった。賃金不払いは、労働基準法違反となる、定期給与を期日まで支払わなかったり、労働者の了解なしに社宅費などの諸経費を給与から控除するケースなどが多かった。一方、労働者本人が通報して不払いが発覚したケースは約2万9千件にも上り、依然として高水準となっている。



個人消費、依然として足取り重く

内閣府が発表した7-9月期の個人消費の内訳によると、食料品やガソリンなどの『非耐久財』が前年同期比2.8%減少していることが分かった。天候不順による生鮮品の高値による購入手控えがあったと見ている。家電や家具などの『耐久財』は前年同期比4%増加となっているものの、今年前半の2ケタ増加率より大きく下回っており、本格的な景気回復のカギを握ると言われている個人消費の足取りは依然として重い状況にある。



多重債務者の相談窓口を拡大

金融庁は、多重債務者対策の一環として、2007年中に多重債務者の相談事業を行っている同庁の認可法人である日本クレジットカウンセリング協会の拠点を現在の3ヶ所から9ヶ所程度に増やすとともに、弁護士と消費生活アドバイザーなどの増員で、相談体制を拡充する。同協会は、債務整理だけでなく、家計簿点検などを通じて生活の立直し策も助言している。



喫煙率、11年連続減少の26.3%に

日本たばこ産業(JT)は、成人でタバコを吸う人の割合は、前年比2.9ポイント減の26.3%になったと発表した。11年連続で過去最低を更新したことになる。JTは、健康意識の高まりに加えて、7月からの値上げが影響したものと見ている。男性は41.3%(前年比4.5ポイント減)、女性は12.4%(1.4ポイント減)。また、調査では、『毎日吸う』と回答した人の1日の喫煙本数は、男性が22.3本、女性が16.3本だったことも分かった。



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