厚生労働省の労働政策審議会は、解雇紛争を補償金という金銭で解決する制度を新設することで、具体的な検討を始めた。現行の労働法制では、解雇に不服な社員が解雇無効を求めて会社を提訴する目的に限定されていて、社員が勝訴しても裁判過程で会社との信頼関係は壊れ、円満な職場復帰が難しい現状にあり、双方とも疲弊してしまう実態がある。このため、厚生労働省は、社員が職場復帰を求めない代わりに、金銭による補償を請求する訴えを認める制度を新設し、労使ともが望む早期解決の仕組みにしようという狙いがある。補償金については年収の2倍程度を下限とする案でまとめたい考えだ。来年の通常国会への法案提出を目指している。 |