社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年11月21日号

個人株主、3年間で400万人の増加

日本証券業協会が今年6-7月に実施した「証券投資に関する全国調査」で株式の保有状況を尋ねたところ、13.2%が「現在持っている」と回答があり、この比率と国内人口を基に個人株主数は1329万人程度に上ると発表した。3年前の推定株主数から約400万人が増加している実態も判明し、「貯蓄から投資へ」の動きを鮮明にした。また、株式を含む投資信託や公社債を保有しているとの回答は、18.3%で、保有額別では「100万-200万円未満」が16.1%で最多だった。



解雇紛争を金銭解決する制度を検討

厚生労働省の労働政策審議会は、解雇紛争を補償金という金銭で解決する制度を新設することで、具体的な検討を始めた。現行の労働法制では、解雇に不服な社員が解雇無効を求めて会社を提訴する目的に限定されていて、社員が勝訴しても裁判過程で会社との信頼関係は壊れ、円満な職場復帰が難しい現状にあり、双方とも疲弊してしまう実態がある。このため、厚生労働省は、社員が職場復帰を求めない代わりに、金銭による補償を請求する訴えを認める制度を新設し、労使ともが望む早期解決の仕組みにしようという狙いがある。補償金については年収の2倍程度を下限とする案でまとめたい考えだ。来年の通常国会への法案提出を目指している。



若者採用で企業に努力義務を

労働政策審議会が検討している雇用対策法の改正案の中に、若者や女性の就労機会拡大や外国人労働者の管理強化などの項目を盛り込む方針を確認した。若者の雇用にあたっては、企業に対して、人物本位の採用や応募年齢の引き上げ、通年採用制度の導入などを努力義務として課すことにしている。また、外国人労働者の雇用に当たっては、雇用した企業が厚労省に報告する義務を現行の5人以上から1人以上に拡大し、違反企業には罰則を設ける方針だ。



倫理規定、約半数の公務員が「厳しい」

人事院の国家公務員倫理審査会が実施したアンケート調査によると、国家公務員の48.6%が国家公務員倫理規定を「厳しい」と受け止めている一方、民間企業の89.7%が同規定は「妥当」「緩やか」と感じていることが分かった。官民での意識格差が出た。同規定は、民間との会食に関する報告義務などを定めている。



ネット利用者、世界で10億人を突破

国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2006年版情報経済報告で、世界のインターネット利用者は前年比19.5%増の10億2千万人となり、初めて10億人を突破したと発表した。1位が米国の2億人で、2位の中国の1億1千万人を大きく引き離している。8千5百万人で3位となった日本だが、企業のインターネット利用率では97.5%にも達し、日本が世界一となった。また、世界の携帯電話契約数は21億7千万人で、前年比23.5%増と大幅な増加。3人に1台の割合で普及したことになる。



中国、4年連続で2ケタ成長

中国人民銀行は、2006年の国内総生産(GDP)の前年比伸び率が実質ベースで10%を超える見通しを発表した。成長率が2ケタになるのは4年連続で、貿易黒字と建設投資の増加が主因となっている。また、消費者物価の上昇率は05年よりも0.3ポイント低い1.5%になる見込みで、中国政府が掲げる「低インフレ下の高成長」の目標を達成した。ただ、人民銀行は、「高貯蓄率と企業の潤沢な自己資金を背景に投資が急増する可能性がある」として、過剰投資の再燃に警戒している。



償却資産把握で署と自治体の連携

総務省は、これまで市町村が実態を把握しにくかった企業の機械設備などの償却資産への固定資産税の取りこぼしをなくすため、全国の市町村に対して、税務署との連携を強化するよう指示を出した。これは、2006年の税制改正で税務署が持つ固定資産税関連の資料を市町村が閲覧できるようになったことを受けての対応。これまで、償却資産について、市町村は企業からの自主申告を待つ対応が目立ち、固定資産税の取りこぼしも指摘されてきていたが、厳しい地方財政のなかで、税務署との連携で、基幹税ともいえる固定資産税の税収確保の強化に乗り出す。



離婚時の年金分割問合せ、殺到

社会保険庁が10月からスタートした「離婚時の厚生年金分割通知サービス」だが、1ヶ月で来訪や電話で6千件を超える相談があった。このうち窓口を訪れた約8割が女性。この通知サービスは、夫婦が離婚した後に厚生年金を分け合う仕組みの分割制度において、自分が受け取れる金額を申請によって事前知ることができるもの。実際に申請・申込した人は相談全体の約2割強に及んだ。



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