社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年10月31日号

社会保障給付、過去最高の85兆円に

2004年度に支払われた年金や医療・介護などの社会保障給付費の総額は過去最高の85兆6千億円に上ったと国立社会保障・人口問題研究所は発表した。このうち、高齢者関係の給付費は前年度より2.3%増の60兆6千億円で、全体の70.8%を占め、高齢化社会の進展を反映した形だ。国民所得に占める給付総額の割合は前年度比0.2ポイント上昇の23.7%。国民一人当たりの給付費は67万円だった。給付の内訳は、年金給付が全体の53%の45兆5千億円(1.6%増)、医療が27兆1千億円(2.0%増)、介護が5兆6千億円(9.3%増)となっている。



米GDP、1.6%成長にダウン

米商務省は、7-9月期の実質国内総生産(GDP)が年率換算で1.6%増となったと発表した。前期の2.6%成長を下回った背景には、住宅投資の不振や輸入増加による外需の落ち込みが挙げられている。7-9月期の実質成長率はイラク開戦時の2003年1-3月期の1.2%以来、3年半ぶりの低い水準で、2期連続の景気減速で、明らかに米景気の勢いは弱まっていることを物語っている。とくに、住宅投資は17.4%の大幅な減少で、その減少幅も15年半ぶりの大きさとなっている。



経営者の保証不要の新融資制度を

経済産業省は、中小企業金融公庫を通じて経営者本人の保証を不要とする融資制度を来春から導入する。現行の融資制度では、経営者本人の保証を求める融資がほとんどで、事業の失敗を招くと私財没収で生活破綻をきたすため、新融資制度では再挑戦への環境を整える狙いがある。この新たな融資制度の特徴は、融資企業が3ヵ月ごとに財務諸表の報告提出を義務付け、財務内容の透明性を求めているとともに、業績悪化の場合には中小公庫の経営改善指導を受けることを求めている点である。金利は、基準貸出金利の2.35%に貸倒れリスクに相当する0.2-0.3%が上乗せされる。



社保庁改革、非公務員の新法人で

政府・与党は、社会保険庁の抜本改革にあたって、国の行政組織から分離して、公的年金の給付や保険料徴収の業務を行う非公務員型の新法人とする方針で検討に入った。新法人は個別の法律で業務を規定する形での法人とし、公的年金制度を安定的に運営する上から完全民営化とは一線を画したものになる。資産の差し押さえなど保険料の強制徴収に必要な権限は国が持ち、新法人に業務を委任する形式が有力となっている。継続審議となっている現在の社保庁改革法案は廃案とし、来年の通常国会に新たな法案を提出する。



法人申告所得、50兆円を突破

国税庁のまとめによると、2005事務年度に法人が税務申告した所得総額は50兆3千億円となり、14年ぶりに50兆円を突破したことが分かった。景気回復が裏付けられた形で、黒字申告1件当たりの所得金額も過去最高の5661万円となった。法人の黒字申告割合は31.9%で、90年度の50.0%に比較して低水準にあり、一部企業が所得総額を押し上げていることが分かる。赤字申告した赤字総額は22兆7千億円(前年度比2.7%減)。



年金支給見込額の通知を開始

社会保険庁が国民年金と厚生年金の支給見込み額を加入者に通知する新制度「ねんきん定期便」の概要が明らかになった。2008年4月から46歳以上の加入者に支給見込み金額を、45歳以下には保険料納付実績を年1回郵送にて通知する。55歳以上の加入者への通知は、2007年12月からスタートする。この通知制度は安倍首相が所信表明で導入を約束していたもので、通知制度によって年金への不信感を払拭する狙いがある。



ウォームビズでCO・141万トン削減

環境省は、昨年から導入された重ね着などによるビジネススタイル「ウォームビズ」によって、昨冬は約300万世帯が1ヶ月に排出する量に相当する約141万トンの二酸化炭素が削減できたと発表した。同省は今冬の取り組み期間を11月1日から来年3月31日までと設定し、ビジネスだけでなく家庭での衣食住を通じた温暖化対策の運動を展開する。



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