社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年10月17日号

戦後最長の景気拡大へ

2002年2月から続く景気拡大は、この10月に戦後最長といわれた「いざなぎ景気」と並ぶ57ヶ月目となり、今後さらにこれを上回るのは確実とみられる。戦後の景気循環で拡大期間が50ヶ月を超えるのは「いざなぎ景気」「バブル景気」だが、これら過去の景気拡大要因と異なるのは、今回の景気のけん引役が円安を背景にした輸出(年平均伸び率10%強)によるもので、個人消費伸び率は1.7%にとどまり、家計の景況感が極めて薄いことが鮮明となっている。民間エコノミストの大半は、米国の景気減速の影響で、2007年度の日本経済は減速するものも、現在の景気拡大は2008-09年まで続くとみている。



約4割の企業、「デフレは脱していない」

帝国データバンクの「デフレに対する企業の意識調査」によると、「まだデフレから脱してはいない」と答えた企業が36%に上ることが分かった。全国約1万社を対象にした調査で、物価が持続的に下落するデフレ状況を「脱している」とみる企業も33.5%あり、「脱していない」とみる企業とほぼ拮抗している。物価は緩やかな上昇基調にあるものの、デジタル家電など最終消費財で価格下落が続いている分野があり、デフレ脱却を実感できない企業が多いといえる。



レジ袋削減義務付けで政省令

先の通常国会で成立した改正容器包装リサイクル法(容リ法)の具体的な運用方法を盛り込んだ政省令案が固まった。レジ袋などの容器包装を年間50トン以上使用するスーパーなど小売業者に、削減目標の設定と定期報告を義務付け、不十分な業者には勧告や命令を出し、従わない企業には実名公表と50万円以下の罰金が課される。また、分別収集強化対策として、ペットボトルや瓶などをリサイクルする市町村の努力でリサイクル費用を圧縮できればリサイクル費用の半額を事業者から市町村へ分配されることになる。この政省令は産業構造審議会の了承を受けて、来年4月から施行される。



法テラス開業1週間で1万2千件の相談

10月からスタートした日本司法支援センター(法テラス)は、開業1週間で1万2千件を超す相談・問い合わせを受けた。法テラスは、生活トラブルの解決に際して最も適した期間・団体を紹介するもの。相談・問い合わせでは、「金銭借入れトラブル」が最も多く、次いで、「男女・夫婦関係」、「相続・遺言」と続いた。それら相談・問い合わせに対する紹介・転送した機関は、弁護士会が約3割、各都道府県の法テラス地方事務所・支部が約2割、司法書士会が約1割となったほか、自治体や消費生活センターなどがあった。同センターは「平日午後や土曜日が比較的通じやすいので利用して欲しい」と話している。



日本からの食品輸出が急増

農水省によると、日本の農林水産物の2005年輸出額は過去最高の3310億円で、前年比12.1%と急増していることが分かった。食料品輸入大国である日本から輸出増加は、所得向上が目立つアジアの国や地域で、高い付加価値を持つ商品として日本食が浸透しつつあることを物語っている。輸出額が増えた主な品目は、サケ・マス、コメ、緑茶、りんご、味噌などで、前年比10-60%も増加している。



未上場企業のM&A、大幅増加

M&A(合併・買収)仲介のレコフ社によると、今年1-9月期の未上場企業のM&A件数は1340件あり、前年同期比13%もの大幅増加になっていることが分かった。後継者難に悩む中小企業経営者が会社を手放したり、大手企業が事業再編のために未上場の子会社を売却するケースが増えているのが背景にある。東京商工会議所の集計でも会社売却を相談に来る件数は2倍以上に増え、とくに相談に来る経営者の年代は55歳以上が9割を占めており、中小企業の後継者難がクローズアップされている。



生活保護受給、100万世帯を突破

厚生労働省は、生活保護を受けている世帯が2005年度に初めて100万世帯を超えて104万世帯に達したと発表した。同省では、「人口の高齢化で、所得の少ない高齢世帯が増えたのが原因」と分析。06年度も7月時点での速報値で106万世帯と増えている。生活保護を受けるキッカケについては、「傷病による」ものが42.8%と最多で、「働きによる収入減・喪失」(19.5%)が次いだ。



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