日銀の資金循環統計によると、2005年度に個人が保有する株式や投資信託の値上がり益(含み益と売却益の合計)は、過去最高の62兆4千億円に達していることが分かった。04年度比で14.3倍に達する。名目国内総生産(GDP)における個人消費額の約290兆円の2割強に匹敵し、投資利益が家計を下支えし、個人消費を後押ししたことが伺える。第一生命経済研究所では、「個人は株価が上昇すると常に一定の利益を確定する。05年度はその額が約2兆円に達しており、その7割が消費に回ると名目個人消費を0.5%押し上げる効果がある」とみている。ゼロ金利政策解除後、預金金利上昇はわずかにとどまっている状況にあり、今後も「貯蓄から投資へ」の流れは、当分続くと見られる。 |