社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年08月29日号

国の債務超過、5%増の265兆円に

財務省が発表した200年度の国の資産と負債を示した貸借対照表によると、負債が資産を上回る債務超過は前年度比5%増の265兆円に上ることが分かった。この貸借対照表は、一般会計と特別会計のほかに独立行政法人や特殊法人など226法人を連結したもの。連結ベースの資産は前年度比約5兆円増の839兆円、負債は約18兆円増の1104兆円で、差し引き265兆円の債務超過となっている。公債増発発行により、負債が膨らんでいることが背景にあり、一層危機的な財政状況となっている。



国民医療費、過去最高を2年連続更新

厚生労働省は、2004年度に病気やケガの治療で医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)は、前年度より約5737億円増加の32兆1千億円に達し、2年連続で過去最高を更新したと発表した。国民医療費のうち、65歳以上の医療費が全体の51.1%を占め、今後、医療費がかさむ高齢者人口の増加により、加速度的に国民医療費は増加が確実視される。厚労省は「医療費抑制に向けた制度改正が行われなければ年間1兆円ずつ増加する」と見込んでいる。



偽装請負に、労基署の是正指導最多

「偽装請負」と呼ばれる違法な労働形態に対し、2005年度に全国の労働局が是正指導した件数は、過去最多の974件に上ることが厚生労働省のまとめで分かった。「偽装請負」とは、メーカーなどの企業が、実質的に労働者の派遣を受けているにも関わらず、契約を結ばないで、直接、労働者へ指揮命令を行うもので、その労働実態においては、まさに請負を装う労働者派遣法に抵触する。これらの是正指導件数は、04年度は前年度比2.6倍の639件、05年度は前年度比1.5倍の974件に急増してきており、厚生労働省は、立ち入り調査の強化を図りながら、悪質な場合は「事業改善命令」「事業停止命令」さらには「刑事告発」も辞さない姿勢を示している。



地方公務員給与は民間より21%高

財務省が2005年の全国47都道府県の地方公務員の給与実態を調査した結果、全都道府県で地方公務員給与が各地域の民間企業給与を上回り、平均で21%も民間よりも高いと発表した。平均給与は、地方公務員が39万5千円、民間が32万7千円。とくに、東北や九州では民間より3-4割も高い自治体が多く、青森では38%の格差があった。06年度予算でみると、地方自治体の人件費は約22兆円で、地方の歳出の33%を占めており、地方財政の建て直しの焦点として、給与の官民格差是正が急務な実態にあることも浮き彫りにした。



35歳以下正社員の不足企業が78%

日本経団連は、若年者雇用に関する調査で、8割近い企業で「35歳以下正社員数」が足りないと感じていることが分かった。経団連企業を対象にした調査で、35歳以下の正社員の雇用について尋ねたところ、「不足」(26.5%)、「やや不足」(52.2%)と答え、不足と感じている企業は78.7%に上った。バブル崩壊後に新卒採用を渋った多くの企業が、現在の業績回復・拡大局面で35歳以下という若年労働者不足に悩む実態が明らかになった。



建設機械出荷、バブル期を超える

日本建設機械工業会は、2006年度の建設機械需要予測を上方修正した。出荷額が前年度比15%増の約2兆円に達する見通しで、5年連続の増加となり、バブル景気に湧いた1990年度を上回り、過去最高となる。旺盛な北米や新興国での海外需要が増加するとともに、民間設備投資の回復で国内需要も予想を上回ることが確実視されている。07年度も引き続き堅調な見通しで、さらに過去最高を更新するとみられる。



HIV新規感染者は過去最多に

厚生労働省は、今年4-6月期に新たに報告されたエイズウィルス(HIV)の感染者数は248人となり、4半期ベースでは過去最多になったと発表した。また、同期にエイズを発症した患者数は106人と、過去2番目になったことも判明し、今後、感染者・発症者ともに急増していくことが懸念される。同省では、「感染は若年層を中心に拡がっているが、最近は40代以上の増加ぶりが目立つ」とみている。



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