社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年08月22日号

6万社が厚生年金・政管健保へ未加入

社会保険庁が失業保険のデータをもとに、厚生年金や政府管掌健康保険への未加入が疑われる全国約30万事業所を調べたところ、2005年度末時点で調査対象の約21%にあたる6万3千事業所が未加入になっていたことが分かった。このため、同庁は今年度から従業員15人以上の未加入事業所への立ち入り検査を強化し、加入を拒否した場合には職権で強制的に手続きを進め、さらに悪質企業には初めての罰則適用も辞さない構えを示している。立ち入り検査は順次、小規模事業所までを対象としている。



米の財政赤字、来年度から拡大見通し

米議会予算局が発表した米国の財政赤字は、来年度から再び拡大するとの見通しを示した。2006会計年度(05年10月-06年9月)は税収が伸び、前年より赤字は18%減少の2600億ドルになったものの、その後は高い水準で財政支出が膨らみ始め、財政赤字は09年度で3040億ドル、10年度で3280億ドルに達する。税制改正などで財政赤字見通しも変わる可能性があるが、イラク戦争経費が不透明なことに加え、日本と同様に、ベビーブーマー世代の大量退職の時期を迎え、社会保障関連の支出が長期的に増えていくとみられている。



仕入れ価格、中小非製造業でも上昇

中小企業基盤整備機構の2006年4-6月期の景況調査によると、原材料仕入単価DI(原材料の仕入れ価格が「上がった」と答えた企業の割合から「下がった」と答えた企業の割合を差し引いた値)は、前期の06年1-3月期に比べて8.5ポイント上昇の20.5となり、中小企業への価格上昇圧力が強まってきていることが分かった。業種別に見ると、上昇幅が最も大きかったのは建設業で、16.7ポイント。原油高や銅価格の高騰での建材価格が上昇しているのを裏付けた。次いで、卸売業の上昇幅は9.7ポイントで、ガソリンの価格上昇による輸送経費などの流通コストが膨らみ、仕入れ価格に反映した。サービス業でも6.3ポイント上昇し、中小の非製造業にまで、仕入れ価格の上昇圧力が拡がって来ている。



食料自給率は40%で推移

農林水産省が、我が国の2005年度の食料自給率は40%で8年連続の横ばいであると発表した。食料自給率は1965年の73%をピークに年々下降を続け、主要国では最低水準が続いている。品目別に見ると、自給率が高いのは、コメ95%、鶏卵94%、イモ類81%と高く、一方、大豆5%、大麦8%、油脂類13%、小麦14%と低くなっている。「2015年度までに45%に」とする政府目標に向けて来年度から農政改革をスタートさせるが、目標達成を危ぶむ声が上がる中、中国などの消費拡大で日本向けに輸出される世界の農産物確保ができるかどうか不安の声も聞かれる。



円滑な中小の事業承継に税制改正

経済産業省と中小企業庁は、2007年度の税制改正に当たって、中小企業の事業承継をさらに円滑に進めるため、生前贈与の場合に税を軽減できる「相続時精算課税」で、事業承継に限って、65歳以上としてきた親の年齢制限を撤廃する要望を行う方針を固めた。また、事業承継に際して、兄弟などで経営権を争うことを防ぐ上から、議決権のない株式の相続税評価を、議決権のある普通株式に比べて20%軽減することを要望する。これは、資本は継いでも経営を引き継がない子供の税負担を軽くすることで、議決権のある株式を後継者に集中できるようにする仕組みにしようというもの。



女性就職者、12年ぶりに離職上回る

厚生労働省は、昨年1年間に就職した女性は392万人で、退職や転職で離職した388万人を上回ったと発表した。就職者が離職者を上回るのは1993年以来、12年ぶりで、景気改善を裏付けた。また、労働者全体に占める就職者の割合を示す「入職率」は前年より1.7ポイント上昇の17.4%。離職率も1.5ポイント増の17.5%とほぼ同数で、雇用の流動化が進んでいることも示した。



不法投棄検挙は過去最多

今年1-6月に全国の警察が、不法投棄などの廃棄物事件で検挙件数が2353件、検挙人員が2998人と統計を取り始めた1990年以降過去最多だったと発表した。また、悪質リフォーム事件の被害者は、前年同期比で約3倍にあたる約2万4千人で、被害額は約150億円にものぼった。



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