社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年07月04日号

働く65歳以上の人は2割増に

総務省は2005年の国勢調査抽出速報集計によると、65歳以上でも雇用者として働いている人の数は252万人であると発表した。前回調査の2000年と比べて、約20%増加し、働き続けたいとする人が目立っている。とくに、女性高齢者が約30%伸びるとともに、後期高齢者と呼ばれる75歳以上の人が約40%も増加している。雇用者だけでなく、高齢にも関わらず自営業を続けるケースも目立ち、現役志向が高まっている。労働力確保と公的年金支給開始年齢の引き上げなどで、国も4月からの改正高年齢者雇用安定法の施行を通じて支援する姿勢もあり、今後ますます働く高年齢者の増加傾向にある。



中小企業での資金需要が拡大へ

財務省の法人企業統計によると、製造業の1-3月期の有利子負債残高(短期借入金・長期借入金・社債・受取手形割引高の合計)は前年同期比0.3%増の106兆円となり、5年ぶりにプラスに転じた。とくに1億円未満の中小企業の有利子負債残高が3.3%も増加した。また、日銀の貸出先別貸出金統計でも、5月の国内銀行の中小企業向け貸し出し残高は前年同月比2.59%増で、3ヶ月連続でプラスとなっている。こうした中小企業の資金需要の高まりは、設備投資への拡大が主因となっている。エコノミストは『今後ゼロ金利解除による金利上昇予測から、一層中小企業の銀行借入は増加する』とみている。



景気拡大、バブル景気を抜く

内閣府は、5月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が50%を2ヶ月連続で上回ることが確実となり、51ヵ月続いた「バブル(平成)景気」を抜き、戦後2番目に長い景気拡大期間となる見通しを示した。現在続く景気拡大期間は52ヶ月目に突入したことになり、今後、過去最長期間を記録した「いざなぎ景気」(57ヶ月)を抜くかどうかに焦点が向けられているが、原油高や米国経済の原則懸念があるものの、民間エコノミストの大半は「いざなぎ超えはほぼ確実」との見方を示している。



企業間の電子取引が140兆円に

経済産業省は、2005年の電子商取引調査によると、製品受発注などの企業間の国内電子商取引の市場規模は前年比約40%増の140兆円に上ったと発表した。インターネットを通じた企業間の商取引は米国市場の1.5倍強となっている。また、他方、ネット通販などの個人向けの電子商取引市場は3.5兆円で、米国市場の約16兆円に比べて、大幅に下回っている。



パートの待遇改善で改正を検討

厚生労働省は、パート社員の厚生年金や健康保険加入基準を緩和するなどの待遇改善を企業に義務付ける検討を開始した。まず、厚生年金・健保への強制加入については「正社員の4分の3以上の労働時間」を勤務するパートに規定されていたものから、「2分の1」に緩和することで検討される。また、正社員と同等な仕事をしているにもかかわらず、勤務時間を1日7時間半に抑えて割安賃金で働かせている企業には、正社員と同等の賃金支払を行うなどの待遇改善の義務を求め、義務違反企業には是正勧告や企業名公表を行うなどを検討する。来年の通常国会にパート労働法改正案として提出する考えだ。



04年度、家庭ゴミが2%削減

環境省が発表した2004年度の家庭ごみなどの一般廃棄物の排出・処理状況によると、総排出量は5059万トンで前年度に比べ、2.0%減少した。また、リサイクルされた量は、2.6%増加の940万トンで、リサイクル率は過去最高の17.6%となった。1人が1日に出す一般廃棄物も1086グラムと1.8%減少。これを人口規模別にみると、人口50万人以上の市では八王子市が最少の946グラム、人口10万人以上50万人未満の市では野田市が681グラムと最も少なかった。



理想の子供数「2.48人」に減少

国立社会保障・人口問題研究所が実施した結婚と出産に関する調査によると、夫婦が欲しいと考える子供の数は「2.48人」で調査開始以来初めて、2.5人を割り込んだ。また実際に産む予定も2.11人と2年前の前回比より0.02ポイント減少し、改めて、少子化に歯止めがかからない実態を示した。産む予定数と理想だと考える子供数を下回った夫婦に理由を聞いたところ、「子育て・教育にお金がかかりすぎる」が65.9%と最も多かった。



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