社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年08月01日号

米の4-6月期GDP、2.5%に減速

米商務省が発表した4-6月期の実質国内総生産(GDP)は2.5%となり、前期(1-3月期)の5.6%から大幅に減速した。2年にわたって続く金融引き締めによる住宅投資の減少や個人消費の冷え込みに加えて、原油価格の高騰が景気の足を引っ張った形となっている。今後、中東情勢の緊迫度合いは増し、一層の原油高が物価上昇圧力となり、年末に向けて一段と米経済の減速感が強まる可能性が出てきてきた。



政令市の半数以上が自由に起債できず

総務省は、自治体の財政健全度を示す新指標として導入した「実質公債費比率」の今年度分の算定結果を発表した。地方債の発行に際して国の許可が必要となる『18%基準』を超えていたのは、4都道府県。また、政令指定都市では15市のうち8市で、地下鉄や下水道事業といったインフラ整備による公営企業を多く抱えている実態が浮き彫りになった。総務省は、これまで財政力で自治体を選別することを回避してきたが、深刻な地方財政の実情を踏まえ、自治体間の格差を示すことで、地方債の信用度を高める必要があるとの判断の下に、同比率の公表に踏み切った。同比率には、夕張市で問題となった一時借入金は含まれていない。



定員割れ私大は過去最多に

日本私立学校振興・共済事業団のまとめによると、今春の定員割れとなった4年制の私立大学は222校に達し、過去最多になったことが分かった。4年制私立大学の定員割れは過去5年間、3割前後で推移してきたが、今春は前年度比で10.9ポイント上昇し、40.4%となり、私大全体の4割を超えた。少子化による新入生の減少に加え、大学や学部の新増設が進んだことによるもの。総志願者数と総合格者数が一致する『大学全入時代』を07年に控えて、一段と私大の経営は厳しくなりつつある。現に、今春、経営に危機的とされる定員充足率が50%を下回る大学は、前年度より3校増え、20校にも達した。



正社員は月平均、196.7時間労働

独立行政法人労働政策研究・研修機構の報告書によると、正社員の月間平均労働時間は196.7時間であることが分かった。男性平均は204.5時間、女性平均は178.3時間となっている。また、年代別にみると、40歳代が199.3時間と最長で、次いで、30歳代の198.8時間となっている。業種別にみると、運輸業が224.6時間と最も長く、卸・小売業が207.4時間となっている。昨年6月の労働時間を調査対象にしており、以後、景気拡大局面へとシフトしていることを考慮すると、現在はさらに長時間労働となっていると思われる。



世帯人数、過去最低の2.8人に

国立社会保障・人口問題研究所が2004年7月に調査した世帯動態調査によると、平均世帯人数は過去最低の2.8人となったことが明らかになった。世帯人数は2人が最多で全世帯の28.7%を占め、次いで3人が20.6%となっている。親との同居率を年代別にみると、30-34歳で男性は45.4%(1999年時の前回調査39%)、女性は33.1%(同22.9%)になっており、未婚・晩婚化の影響が見られた。



40歳未満、胸部X線検査を5年毎に

厚生労働省は、労働安全衛生法に基づいて職場の定期健康診断で年1回の検査を義務付けられている胸部エックス線検査について、40歳未満は医師の判断で5年に1回に省略できるとの案を同法改正検討会に提示した。これは昨年施行の改正結核予防法が一般職場でのエックス線検査の義務を廃止にしたことに対応したもの。結核の発見より、むしろ、エックス線による放射線被曝による発ガン誘発を回避する狙いもある。



日本人の平均寿命が縮んだ

厚生労働省は、2005年の日本人の平均寿命が男女ともに6年ぶりに前年を下回ったと発表した。男性は0.11年縮み、78.53歳となり、主要国の2位から4位に転落。女性は0.1年縮み、85.49歳になったものの、21年連続で世界一をキープした。05年に猛威を振るったインフルエンザの影響と自殺の増加が影響したとみられる。また同省では、「今回の低下は一時的な現象で、寿命が延びる傾向は変わっていない」との分析見解を示している。



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