社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2006年07月25日号

投資信託残高、バブル期を超えて最高に

株式投資信託の6月末残高が46兆円を突破し、バブル期ピークの45兆5千億円を超えて、過去最高となった。バブル時は株高による資産増加が背景にあったが、今回は個人マネーの資金流入によって過去最高を更新。とくに、1-6月の資金流入額は前年同期の倍にあたる7兆2千億円が流入している。銀行や郵政公社などが窓口販売を強化しているのに加えて、確定拠出年金(日本版401K)の不況による年金資産の有力な投資先になっている現状がある。日銀のゼロ金利解除で預金利子が上昇すると、投信が減速するとの見方があるが、団塊世代の大量定年に伴う退職金の投信購入が本格化するとの見通しが強く、貯蓄から投資への流れは揺るがないとみられる。



金利・地価の先高感に住宅購入を急ぐ

マンション販売会社の長谷工アーベストのアンケート調査によると、金利・地価の上昇傾向で住宅購入者の81%が住宅購入を急いだとする購入者意向が分かった。住宅購入を急いだと回答したうち88%が「今後金利は徐々に上昇すると思う」との今後の金利動向予測を持っていた。同社では、「住宅ローン金利の先高感や地価の反転などで、今後も住宅購入を早める動きが見込まれる」と、駆け込み需要を予測している。



高速道路会社の落札率、80%台に

国土交通省の情報開示検討会に日本道路公団から民営化して発足した高速道路会社から提出された資料によると、発注工事の予定価格に占める落札価格の比率(落札率)は、民営化以前の90%台から80%台に低下している実態が明らかになった。民営化効果で建設コストの圧縮が進んだことを示している。工事によっては落札率が60-70%台に低下したケースも目立っている。落札率が低下した要因として、談合の温床と指摘されていた指名競争入札の廃止が大きいと見られている。しかし、原則売却する方針を打ち出していた社宅や保養所などの遊休資産については、研修所などに用途変更し、依然保有している実態も明らかになった。



65歳以上の雇用保険新規加入を

厚生労働省は、少子化による労働人口減少が懸念される中、65歳以上の人でも雇用保険に新規加入できるようにするため、制度見直しに着手した。現行では、65歳以上の新規加入は認めず、65歳以前から加入している人に限って継続加入を認めているが、失業手当支給などで高齢者のセーフティネットを充実させる狙いから65歳以上の新規加入を認める方針。65歳以上の新規加入の条件は検討課題としているが、週20時間以上働くことが有力視されている。短時間だけ働く嘱託職員やパートは対象外とされる見通し。2007年の通常国会へ雇用保険法の改正案として提出される予定。



派遣労働での法令違反、急増

厚生労働省が2005年度に派遣労働に関する法令違反で是正指導した件数が3812件で、前年度比63%増と急増している実態が明らかになった。5年間で10倍にも達している。派遣業者や受け入れ企業の法令順守体制が追いついていないためとみられる。IT業界などで違法な雇用が常態化しており、同省は指導を強化し、立ち入り調査を通じて是正指導をしている。違反では、労働者を受け入れた側に違法性の認識がないのが特徴だと同省は分析する。



テレビ通販市場の拡大が続く

テレビ通販主要10社の2005年度の売上高は前期比29%増の約2123億円となり、年々増加し、市場が拡大している。24時間の生放送番組を始めるなど、需要喚起が功を奏している形だ。売上高1位のジュピターショップチャンネルは前期比51%増の761億円、2位のQVCジャパンは同30%増の582億円、3位のジャパネットたかたは約3割増の270億円と好調ぶりを示す。テレビ通販各社が注文手段を従来の固定電話以外に、パソコンや携帯電話のインターネットサイトからの注文に拡大したことが売上拡大の要因となっている。



交通事故死、51年ぶりの低水準

警視庁のまとめによると、今年1-6月期の交通事故死亡者数は2922人で、前年同期より202人少なく、1955年以来51年ぶりに、3千人を下回ったことが分かった。スピード違反による死亡事故が減少したものの、高齢者が運転者による事故のケースは増えている。



トップへ