社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年06月20日号

トヨタ、2009年問題でエタノール車投入

トヨタ自動車は、世界で自動車の環境規制が厳しくなる2009年問題に対応して、植物原料のエタノールを燃料とする乗用車を投入する環境車戦略を発表した。エタノール車は、サトウキビなどから作られるアルコールの一種で、エタノールだけでも走行することもでき、ガソリンとの混合でも走らすことが可能。米国政府では原油依存を下げるためにエタノール使用を増やす方針を打ち出しており、エタノール車生産が加速するとみられる。また同社は、2010年代初めをメドに、ハイブリッド車を現在の7車種から倍増する方針を打ち出した。



個人向け国債、初日で半分を売却

7月18日発行分の個人向け国債の売出しが6月9日から全国の金融機関で行われたが、郵便局では、5年物の固定金利型国債が469億円、半年ごとに利率を見直す10年物の変動金利型国債が626億円売れた。それぞれ目標を1千億円に予定しており、半分を売却したことになる。日本郵政公社では「募集が7月4日まであり、近く完売する」と見通している。また、大和証券では「今回の売れ行きは3ヶ月前の前回より1.5倍強の売れ行き」とし、民間窓口でも売れ行きが好調である。「株価下落に伴う安全志向と日銀の量的緩和政策解除による利回り期待」が、個人向け国債販売の好調要因とみられる。



家計保有の金融資産は1506兆円に

日銀は、家庭や企業、政府などの経済全体のお金の流れを分析した資金循環統計によると、2006年3月末、家計の保有する金融資産残高は1506兆円となったと発表した。前年同月比で5.8%増加し、2・四半期連続で1500兆円を超えた。金融資産のうち、投資信託が前年同期比で44.8%増加の約55兆円、また株式の残高も45.2%増加の約122兆円で、それぞれで過去最高を記録した。昨年は、ゼロ金利政策を背景に、株式や債券で運用する投資信託、あるいは株式投資といったリスク金融商品にシフトした足跡が読み取れる。



高齢者雇用対策は9割が継続雇用

厚生労働省は、4月から施行された改正高年齢者雇用安定法に伴い、企業がどのような雇用対策を講じたかについての調査を従業員300人以上の企業を対象に実施したところ、何らかの措置を導入したのは95.6%で、このうちの93.2%の企業が継続雇用制度を導入したことが分かった。勤務成績などの客観的基準があれば、希望者全員を継続雇用しなくてもよい点が企業側で好まれ、継続雇用制度を選択導入したものとみられる。改正法では、①定年の引き上げ、②定年後に継続雇用する制度の新設、③定年制度の廃止のいずれかを導入することを企業に求めている。罰則はないものの、何らかの制度導入は義務化されており、今後、厚生労働省では未導入企業への指導・勧告を図るとしている。



公務員人件費、1.8兆円削減へ

自民党は、今後5年間の歳出削減案で、国と地方の公務員総人件費を最低でも1.8兆円削減する方針を決めた。自民党案では、既に決定済みとなっている国家公務員の定員を5.7%純減、さらに11年度まで600億円の人件費を削減し、さらに給与を民間準拠の徹底により800億円減らす。地方公務員は、10年度までの4.6%純減で9500億円削り、11年度までにさらに2300億円減らす。給与も3300億円、特殊勤務手当なども800億円減らすとしている。こうした公務員人件費の削減に加えて、社会保障費の削減で、2011年度の基礎的財政収支黒字化に必要な財源額は13兆5千億円となり、この額が消費税率引き上げ計算の論拠となりそうだ。



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