社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年06月06日号

設備投資の全額損金計上を検討

政府税制調査会は、今秋まとめる中期答申に、減価償却制度を改正し、企業が設備投資額を全額損金に計上できる考えを盛り込む方針で議論を進めることを明らかにした。現行の減価償却制度では、95%しか損金計上できない。英米などでは全額を損金計上されており、国際的基準にそぐわず、国際競争力を削いでいる現状を改善する狙いがある。また、減価償却制度改革にあたっては、複雑とされる区分の簡素化と、長すぎると批判のある法定耐用年数の圧縮することを検討するとしており、減価償却制度が2007年度税制改正の焦点となりそうだ。



2025年の国民負担率は5割を超える

官房長官の私的諮問機関である「社会保障の在り方に関する懇談会」がまとめた最終報告書によると、2025年度の社会保障負担は143兆円と推計した上で、国民が背負う将来負担となる『潜在的国民負担率』は約53%に達するとの見通しを示した。政府は国民負担率を将来的にも50%程度に抑制する政策目標を掲げており、今後、年金や医療費などの給付抑制とともに、消費税を含めた具体的な財源手当について議論するよう同懇談会では求めている。



原油高騰に影響された倒産は30件

帝国データバンクの調べによると、原油高騰の影響による企業倒産が今年1-4月に30件に達していることが分かった。前年1年間に原油高騰による倒産件数は29件で、今年は早くも昨年実績を上回ったことになり、今後、原油価格が高止まりしていることなどから、倒産はさらに広がる可能性があると同社は指摘している。倒産は、中小企業が大半で、運送業やガソリンスタンド、漁業など直接原油高の影響を受ける業種が多い。



4月の住宅着工戸数、15%増加

国土交通省が発表した4月の新設住宅着工戸数は11万1千戸となり、前年同月比で15%の増加となった。3ヶ月連続で前年同月比を上回っている。内訳は、分譲住宅が前年同月比30%増の3万4千戸で、このうち分譲マンションは55.8%増の2万3千戸となり、4月では過去最高となった。地域別に見ると、首都圏が前年同月比の約2倍の1万4千戸、中部圏が56.5%増の1700戸となっている。



大手生保3月期決算、8年ぶり増収に

生命保険の国内大手9社の3月期決算によると、国内大手9社の保険料収入は18兆640億円で、前年同期比で0.8%増加した。前年を上回るのは、1998年以来、8年ぶり。また、基礎利益も9社合計で6%増となった。保険料収入と基礎利益の増加は、医療保険やガン保険などの第3分野が堅調に推移するとともに、銀行窓口での個人年金保険の販売増加が挙げられる。生保の業績回復が鮮明となってきた。



働き過ぎの労災認定、過去最多に

厚生労働省の調査によると、2005年度、働き過ぎが原因で脳内出血や心筋梗塞といった『脳・心臓疾患』により労災認定を受けた人は330人に上り、過去最多となったことが分かった。脳・心臓疾患のうち過労死に至ったケースは157人、ストレスによるうつ病などの精神障害での認定も127人と高止まり傾向にある。『脳・心臓疾患』の労災認定請求者数も過去最多の869人で、前年度より6.5%増えている。過労死の認定者の職種別で最も多いのは、「運輸・通信従事者」の82人、次いで「管理職」が62人。40代と50代で全体の7割を占めた。



外国人登録者、初の200万人突破

法務省入国管理局は、永住や留学・研修などの理由で日本に滞在し、各自治体に登録している外国人数が2005年末現在で、201万人に達し、初めて200万人を突破したと発表した。37年連続で過去最多を更新し、日本の総人口の1.57%を占めるに至っている。都道府県別にみると、東京が最も多く、大阪・愛知・神奈川・埼玉と続いている。また、出身国で見ると、韓国・朝鮮が約30%近く占め、次いで、中国、ブラジル、フィリピン、ペルー、米国と続いている。



65歳以上人口が初めて20%超に

政府が発表した「2006年版高齢社会白書」によると、05年10月1日現在の65歳以上の高齢人口は、2560万人に達し、過去最高となった。総人口に占める割合(高齢化率)も20.04%となり、初めて2割を突破。同白書では、高齢化率が2015年は26.0%、2050年は35.7%になると見込んでいる。ちなみに、100歳以上の高齢者は、約2万5千人で過去最高を更新した。



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