社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年05月16日号

08年度から一般・特別会計を連結へ

財務省は、一般会計と31ある特別会計を2008年度予算編成から、連結ベースで公表する方針だ。これまで特別会計は各会計別々に公表しているものの、各会計間での重複計上もあって、予算の全体像が見えにくいものとなっていた。連結ベースにすることで、透明性を高めるとともに、歳出削減につなげる狙いがある。各特別会計の歳出総額は460兆円で一般会計80兆円を加えた国の総額ベース歳出は540兆円となるが、一般会計からの46兆円繰り入れや特別会計間の重複を除いた国庫予算歳出純計は半分の260兆円にとどまる。旧前、塩川財務相が、「母屋(一般会計)はおかゆをすすり、離れ(特別会計)では高級牛肉のすき焼きを食べている」と、特別会計の野放図を指摘していたが、改善への端緒に就いた感がある。



税額控除で電子申告の利用促進

政府は、「電子申告・納税」の利用促進を図るうえから、電子申告利用者に税金から一定額を差し引く税額控除を認める税制優遇策の導入検討を始めた。05年度の電子申告の実績は約11万件に及んでいるが、申告全体に占める割合は0.4%で、「2010年度に50%」を掲げる政府目標には、はるかに及ばない状況にある。住基カードや電子証明書の取得、ICカード読み取り機の購入、さらには領収書等の別途郵送といった煩雑さが障害となっている。このため、税優遇や添付書類のオンライン送信、24時間受付けなどの対応で、利用率を高め、徴税事務の効率化につなげたい考えだ。



全国の地価合計額は15年ぶりに上昇

日銀は、1月1日時点での全国の公示地価の加重平均が前年比1.4%上昇したと発表した。1991年の6.8%上昇以来、15年ぶりにプラスに転じたことになり、資産デフレからの脱却が近いことを物語った。住宅地は0.9%の下落だったが、大都市圏での商業地は4.0%上昇し、全体を押し上げる格好となっている。とくに、東京都の加重平均は05年に0.5%のプラスに転じ、06年は5.5%と大幅な上昇率を記録し、オフィスビル需要の増大や住民の都心回帰が背景にあるとみられる。



外貨準備高、新興国がG7を抜く

3月末時点で有力新興国BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の政府・中央銀行が保有する外貨準備高の合計額は約1兆2900億ドルに達し、先進7カ国G7の合計額の約1兆2500億ドルを上回った。BRICsの外貨準備高は04年末と比べ4割もの大幅な増加となり、今後のドル相場など国際金融市場での影響力を増したといえる。とくに、中国は積極的にドル買い介入を進めており、BRICs全体の68%を占めている。



20時間就労パートに厚生年金加入を

政府の「再チャレンジ推進会議」の中間報告は、正社員とパート労働者との処遇格差を是正するうえから、厚生年金など社会保険のパート労働者への適用拡大を提唱した。具体的には、正社員の就業時間の4分の3(週約30時間)以上のパート労働者が厚生年金への加入義務がある現行制度を週20時間以上に拡大するとしている。



大卒就職率は最高の95.3%に

厚生労働省と文部科学省の調査によると、4年制大学を今春卒業した就職希望者の就職率は95.3%になり、1996年度の調査開始以来、最高の就職率となったことが分かった。大学生の就職率は99年度の91.1%を底に回復に転じてきている。男子は前年度比2.2ポイント上昇の95.5%、女子は1.2ポイント上昇の95%。また、高卒者の就職希望者の就職率も95.8%と、8年ぶりの高水準となっている。「07年にも始まる団塊世代の大量退職が、企業の新卒採用の拡大につながっている」と厚労省ではみている。



禁煙補助薬が健保適用に

厚生労働省は、喫煙によるニコチン依存症と診断された場合、医師が処方する禁煙補助薬(ニコチンパッチ)を健康保険の対象にする検討に入り、早ければ、中央社会保険医療協議会の承認を経て、5月中には実施される。ニコチンパッチは皮膚からニコチンを少量ずつ体内に浸透させる製剤で、ニコチン切れ症状を抑えて禁煙に向かわせるもの。これまで、この禁煙治療法では、12週間プログラムで3万-4万円の費用がかかっていたが、保険適用により、1万-1万3千円程度の負担で済むことになる。



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