社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2006年04月18日号

銀行貸出残高、7年ぶりにプラスに

全国銀行協会は、2005年度末の全国銀行の貸出金残高は前年度比2.2%増の409兆3777億円であることを発表した。金融危機に陥った1998年度以来、7年ぶりに増加に転じた。貸出金残高の増加の背景には、これまでの不良債権処理や自己資本比率を向上させるため貸出しを圧縮してきた銀行が貸出し姿勢に転じたことと、住宅ローンなどの個人向け融資が堅調に推移したことがあるとみられる。



29%の人が物価上昇感を持つ

日銀の生活意識に関するアンケート調査によると、「1年前に比べて物価が上がっている」と感じている人は29.4%に達していることが分かった。また、どの程度物価が上がったかを数値で尋ねると、平均1.2%で、消費者物価指数の上昇率0.5%以上に物価が上昇していると感じていることが読み取れる。さらに、現在の景況感(DI)については、1年前に比べて「良くなっている」から「悪くなっている」を差し引いた値は6.1となり、前回から8.3ポイント改善し、96年3月以降初めてプラスとなり、景気改善の実感を表すものとなった。



介護保険料、27都府県で4千円超に

日本経済新聞社の調査によると、この4月から65歳以上が納める介護保険料が27都府県で4千円を超えていた。前回改定時の2003年度と比較し、4千円超の自治体は3県増加するとともに、市区町村ごとの保険料では、最高6100円から最低2200円まで約3倍の開きがあることも分かった。介護保険料は3年毎の保険料見直しが図られるが、今回の改定では、介護サービスを利用する高齢者の急増により、沖縄県を除く46都道府県で保険料の引き上げが行われた。



世界貿易が初めて10兆ドルを突破

世界貿易機関(WTO)は、2005年の貿易統計によると、世界全体のモノの貿易額(名目輸出額)は前年を13%も上回る約10兆1千億ドルに達し、初めて10兆ドルを突破したと発表した。世界経済の回復による貿易量の増大と原油高が貿易額を押し上げた形となっている。



携帯決済の新銀行を設立へ

三菱東京UFJ銀行とKDDIは、携帯電話を使って買い物代金を決済できる銀行を来年度にも共同設立する方針を固めた。KDDIの携帯電話auの利用者が新しく設立される銀行に口座を開設し、店頭の読み取り機にかざすことで残高の範囲内でショッピングができる仕組みで、これまでの利用限度額の低い電子マネー機能付き携帯電話よりも、高額商品の購入が可能となる。三菱東京UFJ銀行はauユーザー約2500万人を顧客取り込みし、KDDIは金融機能を高めることで、激化する携帯顧客獲得競争で優位に立とうとする思惑がある。



日米欧で同時に長期金利上昇

日米欧での長期金利が一斉に上昇し始めている。日本とドイツが約1年半ぶりの水準に上昇するとともに、アメリカが3年9ヶ月ぶりの水準にまで長期金利が上昇してきている。長年低水準にとどまっていた長期金利が上昇を続ければ、企業の投資意欲や米国経済を支えてきた住宅投資などが萎縮し、世界経済が下振れする可能性があり、警戒感が拡がり始めている。



女性の3人に1人がDV被害に

内閣府の調査によると、夫やパートナーから暴行や精神的な嫌がらせといった「ドメスティックバイオレンス(DV)」の被害を受けたことのある女性は33.2%にも達していることが分かった。結婚経験のある女性のうち「身体的暴力を受けた」ことのある女性は26.7%、「人格を否定されるような暴言など精神的嫌がらせや脅迫を受けた」のは16.1%、「性的行為の強要」は15.2%となっている。



186万人の公務員削減が可能

三菱総合研究所は、市場化テストなどを通じて、国や地方自治体が民間開放を推進すれば、公務員を最大で約186万人が削減できるとの試算結果を発表した。これにより最大で7兆8千億円の市場が創出される可能性があると指摘している。



トップへ