社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年03月28日号

信用保証協会、連帯保証を廃止へ

経済産業省は、中小企業の再生を疎外するとの考えから信用保証協会が行う信用保証制度での「連帯保証」を原則廃止する方針を示した。4月から保証料率をこれまでの一律1.35%から企業の信用力に応じた料率変動制にシフトする制度改革に合わせて行うとし、近く全国の保証協会に通達する。これまで、企業が倒産した場合、連帯保証人が債務を肩代わりして返済することで回収が図られる一方、保証した知人や家族の債務者が増えるとの批判があるとともに、中小企業の再生の道を一層困難にするとの指摘があった。



日中貿易、7年連続で過去最高を更新

日本貿易振興機構(ジェトロ)は、2005年の日中貿易総額が前年比12.7%増の約1900億ドルとなったと発表した。7年連続で過去最高を更新したことになる。輸出は04年が前年比29%増だったのに対し、05年は電子部品や自動車などの減少で、8.9%の増加にとどまった。輸入はパソコンやプリンター、携帯音楽プレイヤーなどの音楽映像機器が増加し、輸入総額で初めて1000億ドルを突破した。このため、最終的な対中貿易赤字額は過去最高の286億ドルになった。これまで、毎年20%増加の伸びで推移してきた日中貿易だが、拡大テンポはここにきて鈍化してきている。



税控除の特典でネット申告を促進

政府のIT戦略本部は、行政機関への届出や申請がインターネットでできる電子申請の利用が低迷している現状を考慮し、電子申請を利用することでの優遇措置を講ずることを盛り込んだ「オンライン利用促進のための行動計画」を明らかにした。政府は電子申請の利用目標について、06年度16%、07年度21%、08年度28%に引き上げるとし、とくに国税、登記、社会保険・労働保険の3分野を重点に据えている。利用促進を図る上での優遇措置として、国税では①税控除の検討、②確定申告期間中の24時間受付、③還付に要する期間を6週間から3週間に短縮、④税理士が関わっていれば本人署名を省いたり、別途郵送の添付書類提出の省略できるようにするとしている。



家計の配当所得、約6兆円に

内閣府がまとめた国民経済計算(速報)によると、家計が保有株式などから得られる配当所得は、04年度で約4兆9千億円だったことが分かった。01年度からの3年間で配当所得は2倍にまで膨らんでいる。また、三菱総研の試算によると、05年度は企業の利益が配当として回るとして、5兆8千億円に上る見通しを明らかにした。ゼロ金利時代を背景に、「貯蓄」から「投資」に資金がシフトしていることを示しているものといえよう。因みに、預金や国債などから受け取った利子所得は約4兆5千億円で、04年度は初めて、配当所得が利子所得を上回った。



大都市圏での国保未納が深刻

2004年度の国民健康保険料の未納は、全国平均9.91%であるのに対して、大都市圏(東京23区と13大都市)は前年度から0.32ポイント上昇し13.34%となり、深刻な状況となっている。国民健康保険は自営業者や退職者などの無職の人など約4600万人が加入する公的医療保険で、平均年齢は50代前半と医療費が膨らみ易い傾向にあり、保険料を引き上げても赤字がカバーできずに市町村は一般会計からの繰り入れでやりくりしているのが実態で、保険料未納の拡大は市町村財政悪化の要因ともされている。



子供は欲しいが、お金が悩み

財団法人こども未来財団の調査によると、子供のいる家庭で、子供を持ったり、子供の数を増やすことに感じる不安や悩みは「子供の養育費」といった経済的負担であることが分かった。20-44歳までの既婚男女を対象とした調査で、子供を持ったり子供を増やしたりする不安要因は、子供のいる家庭では「養育費がかかる」が43%と最も多く、次いで「出産・子育ての体力」「将来にわたる安定的な収入」がそれぞれ23%となっている。養育費と安定収入といった家庭の経済的負担が66%にもなり、「子供が欲しいが、お金が心配」とする実像が読み取れる。同財団は、母親が妊娠してから大学を卒業するまでの費用は、2004年時点で2365万円と推計している。このうち教育費に要する費用推計は約半分の1153万円にも上っている。



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