社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2006年01月24日号

医療給付抑制で2025年度に48兆円へ

厚生労働相は、経済財政諮問会議のなかで、医療給付費抑制のための将来目標を2025年度時点で48兆円とする方針を示した。従来、同省では2025年度に56兆円との見通しをしていたが、制度改革を通じて、8兆円ほど絞り込むとしている。医療給付費は、06年度では27兆5千億円(当初予算ベース)の見込み。



税制改正で企業の負担増は5千億円に

政府が作成した2006年度税制改正に伴う企業の増減収額の試算によると、これまでの減税の縮小・廃止などで、約5000億円が実質負担増となることが分かった。IT投資促進税制など現行の企業向け減税の廃止で約7000億円の増収を見込む一方、06年度から導入する情報基盤強化税制や同族会社の留保金課税制度の緩和や交際費の損金算入額の拡大などで約2500億円が減税行われる。



1人当たり名目GDP、日本は11位に

内閣府が発表した2004年度の国民経済計算の確報値によると、日本の1人当たりの名目国内総生産(GDP)は経済協力開発機構(OECD)30カ国のなかで11位となった。日本の1人当たりの名目GDPは04年に約3万6千ドルで、前年より2千7百ドルほど増えたものの、順位は9位から11位に後退した。欧州各国の名目GDPがユーロ高で増加したのが主因。日本は1993年に1位になったものの、これ以降は順位を下げてきている。併せて発表された04年度の家計の貯蓄率は2.8%で、7年連続で低下してきている。



NTTが「年齢給」を4月から全廃に

NTTは、勤続年数に応じて加算する「年齢給」を全ての職員を対象に全廃すると発表した。従来は管理職を対象に実施していたが、4月以降は、NTTグループの主要企業約250社の一般社員約17万5千人が対象となる。基本給の一部分である「年齢給」を廃止し、その原資を「成果手当」に振り向けるとしている。また、定期昇給も廃止するとしている。一方、扶養手当については少子高齢化に配慮し、従来は配偶者と子供1人までを対象としてきたが、4月以降は子供の人数制限を撤廃するとしている。



有給休暇取得の後押し策を法制化へ

厚生労働省は、有給休暇取得を促進するための施策を法制化するため、労働政策審議会や省内研究会での検討に着手した。04年度の有給休暇取得率は過去最低の46.6%となっている現状にある。検討されている施策は、①一定日数について取得時期を計画することを企業に義務付け、②有給休暇未消化分を退職時に限って企業が買い取る仕組み、とすることなどが検討され、早ければ2007年の通常国会に提出したい方針である。また、法定労働時間を超える部分の一定時間数については、割増賃金の支払いとともに、休日を与えることを義務付け、長時間労働に歯止めをかける施策も検討されている。



団塊世代、定年後も「金のため」働く

日本経済新聞社の調査によると、2007年から定年退職が始まる団塊世代サラリーマンの74.3%が「定年後もお金のために働く必要がある」と考えていることが分かった。働く必要の理由としては、65.6%が「公的年金が不十分」と回答し、また、現在保有する金融資産は「1千万円未満」が53.5%と多く、退職金見込み額は「0-500万円未満」とするのが48.3%にものぼるデータともなり、まさに、定年後も働く必要がある実像が浮き彫りとなった。



ITのマナー・モラルを子供に徹底

政府は、情報モラルの欠如による犯罪が発生している実情を鑑み、2006年度から情報教育への取組みを強化する方針だ。文部科学省では、情報モラルとして、①ネット上の掲示板やチャットで気持ちを伝えるマナーや、②出会い系サイト・フィッシング詐欺などの有害情報の対処法、③プライバシーや著作権の配慮などを、教育の到達目標を示した形で教員向けの指導資料を作成する。また、総務省では、ITの危険性と利便性を見極めながら活用するリテラシー(能力)を育成するための教材を作成し、07年度に教育現場に配布する予定にしている。



トップへ